精神科Q&A
【0244】うつ病と診断された弟が被害妄想的になっています
Q: 35歳の弟が、海外駐在中に現地の医師に「うつ病」と診断され、カウンセリングを 受けていたようですが、海外駐在から単身帰国してきました。帰国後は、本人も嫌がる部署に着任して、それが原因かとも思っているのですが、帰国後、被害妄想的になり、「会社のみんなが自分の悪口を 書いたメールを回して読んでいるから自分を変な目で見ている」とか 「会社の携帯電話は盗聴されている」と言い出したり、毎日実家に 電話を入れてきます。 日中も仕事が手についていないのではないかと思います。 家族として、どのように対処したり、アドバイスしたりすればいいのでしょうか。
林: なるべく早く精神科を受診するべきです。
弟さんの診断として一番可能性が高いのは統合失調症(精神分裂病)です。うつ病ではないと思います。
統合失調症の初期は抑うつが目立ち、うつ病と診断されることもよくあります(このことは【0237】にも書きました)。帰国後に被害妄想的になったのは、部署の問題ではなく、その前から発症していた統合失調症(精神分裂病)がはっきりしてきたのだと思います。こういうことは非常によくあることです。会社の皆が陰で悪口を言っているとか、電話が盗聴されているというのは典型的な統合失調症(精神分裂病)の症状です。なるべく早く受診させてください。他の方法はないと思います。