精神科Q&A

【0196】 転勤後に落ち込んだ私は擬態うつ病でしょうか


Q: 30歳男性です。擬態うつ病大変興味深く拝見させていただきました。半年ほど前から、「やる気が起きない(やりたいことがない)」、「出勤前の朝方が特に気分が落ち込む」、「朝、下痢になる頻度が増した」、「自殺や家出を考えるようになった」などの状態が続いていました。 原因として思い当たるのは、昨年の4月に転勤(昇進)、引越があり、新しい仕事にプレッシャーを強く感じ、仕事を辞めたいとまで思い始めたことです。 しかし、家族を持っている自分としては、簡単に仕事を辞めるわけにもいかず、とても不安な毎日が続きました。 
 先月、「ひょっとして自分はうつ病ではないか?」と思い、貴HPの自己診断をしたところ、うつ病の可能性ありとの結果も出たことから、先月末に精神科を受診しました。 
 結果、「うつ病」と診断され、「レスリン錠25」と「ソラナックス0.4mg錠」 を就寝前に1錠ずつ飲むよう処方されました。 
 それでもまだ、「本当に自分はうつ病か?」、「ただ、仕事を辞めたい(仕事を変えたい)ばかりにうつ病のせいにしているのでは?」という思いが続いていました。 
 うつ病のことをもっと知ろうと思い、昨日書店に行ったところ、擬態うつ病というタイトルが目に飛び込んできました。 
 まさに、自分が「擬態(ニセ)うつ病」ではないかと思っていたところであり、早速購入し、拝見させていただきました。 
 先ほど、読み終わりまして、「それで、自分はどっちなの?」と考えましたが、判断つきませんでした。 私は擬態うつ病なのでしょうか?


: 転勤、引越のように、はっきりしたきっかけがあって落ち込んだ場合、うつ病かどうかの判断はなかなか難しいことがあります(擬態うつ病のp.55に書きました)。これはメールで判断できるものではありません。ただし、あなたのようにご自分から「ただ、仕事を辞めたい(仕事を変えたい)ばかりにうつ病のせいにしているのでは?」と心配する方は、本当のうつ病の可能性の方が高いと思います。逆に、自分はうつ病に違いないと考える人の方が、擬態である可能性は高いです。これは擬態うつ病の中にも書きました。うつ病としての治療を開始されたとのことですので、少なくとも当面は、あまり余計なことを考えずに、治療に徹するべきだと思います。レスリン25ミリグラム、ソラナックス0.4ミリグラムという今の処方は、うつ病の処方としてはごく少なく、導入にすぎない段階だと思います。

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