精神科Q&A
【0026】 失恋後落ちこんでいます
Q: 21歳の女性です。 林先生のHPでいろいろ自己診断したら、うつ病かもしれないと思いました。でも薬は飲みたくないと思っています。薬を飲まずに今の状態から抜け出す方法はありますか。もともとの原因は失恋でした。毎日がとてもつらく、特に朝は一番苦しいです。
林: おそらく診察室の自己診断法を利用されたのだと思います。まず最初にご注意したいのは、自己診断法はあくまでも目安であって、うつ病かどうかを確定することはできないということです。どんなに点が高くても、うつ病と確定することはできませんので、もし心配があれば、必ず医師の診断を受けることが必要です。
それから、もし本当にうつ病であった場合には、薬を飲まずに治そうというのはすすめられません。うつ病のページにも書いてあるように、うつ病というのは脳の病気のひとつであって、単なる落ち込みとは違います。たとえば肺炎や心臓病に薬が必要なように、うつ病にも薬が必要です。ただし薬が必要なのは、本当にうつ病だった場合です。単に失恋が原因で落ち込んだということなら、薬で何とかしようというのはよくないのは言うまでもないでしょう。
そこでポイントは、「単に失恋が原因で落ち込んだ」だけなのか、それとも「失恋をきっかけにしてうつ病になった」のか、ということです。実はこの判断はとても難しいものです。あなたの場合、「朝が一番苦しい」とのことですので、うつ病の可能性もありそうですが、これだけでは何とも言えません。一度は精神科医の診察を受けるのがいいかもしれません。その結果うつ病ということなら、なるべく早く抗うつ薬の治療を始めるべきです。