精神科Q&A

【2102】適応障害は擬態うつ病と同じですか


Q: 20代女性、修士学生ですが、約4か月に心療内科で診療し適応障害(うつ症状)と診断されました。入学してから本望でない研究課題を与えられたり、研究室のゼミリーダーとなったことから雑務が増えたり、研究が思うように進まないことやうつ症状がでたことで満足に就職活動ができず就職に失敗してしまったりマイナスなことばかり起こりました。うつ症状ですが、1年の冬に就職活動をし始めてから遅寝遅起き(ときには不眠)、気がつくとボーっとしている、実験に手がつけられない、文献を読んでも意味を掴めない、などの症状が現れ、最終的には2年のお盆休みをさかいに約1か月家から外へ出られなくなりました。さすがにこのままでは修了も危ういと思い、心療内科を受診し、上記のように適応障害と診断されてデパス0.5mg×3を処方されました。今はデパス0.5mgを緊張時の頓服として飲むのみで、就職は決まっていませんが、無事修了することは決まりました。
質問は、私の診断された適応障害という病気は先生の言う擬態うつ病とは違うのか、ということです。受診前に先生のサイトを見て「擬態うつ病」という言葉を知っていたので、私の症状はストレスからの擬態うつ病なのか、うつ病なのかどちらだろうと思い受診したのですが、「適応障害」という聞きなれない病名がつき少々困惑しました。擬態うつ病と似ているような症状を現したと思うのですが別の病気なのでしょうか。また、「適応障害」は人格障害の一種なのでしょうか? 長くなりましたが、よろしくお願いします。


林: 適応障害とは、ストレスを原因として発生したメンタル不調の総称です。その一部は擬態うつ病です。しかし、両者は完全には重なりません。また念のために確認しますと、「擬態うつ病は病気でないから医療不要」ということでもありません。
「適応障害」と「擬態うつ病」に関する問題は、現代では多発しているといえます。これについては 擬態うつ病 / 新型うつ病 実例からみる対応法 にいくつかの実例とともに詳解しましたのでご参照ください。

(2011.8.5.)


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