精神科Q&A

【1972】統合失調症で、一旦はかなりいい状態になったものの、急な減薬や両親の無理解などがあり、現在は不安定な状況です (【1556】、【1643】、【1685】のその後)


Q: 2009年4月に【1556】私はうつ病と診断されていますが、統合失調症ではないでしょうか で回答をいただき、その後【1643】統合失調症と納得し、治療を続けた結果、非常に穏やかで爽やかな気分になりました‏とご報告した、当時高校生だった男性です。現在は大学生になりました。 2009年12月には【1685】ようやく両親に統合失調症であると理解してもらえました‏ とご報告しましたが、その後、両親の理解が逆転してしまったこともあって、私の現在の病状は、最悪ではないものの、不安定です。経過をご報告したいと思います。

高校はなんとか卒業し、自分でもびっくりするような世に言う「いい大学」に入ることができ、「これで俺の人生もようやく軌道に乗ったかな」と甘いことを考えていたのも束の間、回復を焦って薬を減らしすぎたのと、新しい環境のストレスとで(と主治医に言われています)再発し、休学に追い込まれました。 とにかく人が怖くて信用できず、グロテスクな考えが勝手に湧いてきたり、口が勝手に喋ったり歌ったりしました。さらにすぐにイライラし、それが高じると人を殺すイメージが浮かんで止まらなくなり、物を壊したりしました。体が勝手に動きそうになって必死に止めなければならなくなったりして、自分の病気が悪化していることを理解しました。 その後休学して、今は療養中です。 両親ですが、正直あまり協力的ではありません。一時期は色々勉強してくれたのですが、その勉強の結果私は統合失調症ではないという結論に至ったようで、被害妄想について「甘えが原因」と罵られたり、様々な症状を「ふつうのことを大げさに言っている」と嫌みっぽく言われたりします。主治医は余りはっきり両親にものを言わないので、両親の考えが改まることは期待できません。私にできることは、少しでも自己コントロールをして、服薬を絶やさない事だけだと思います。 取り留めなくなりましたが、経過を報告したくメール致しました。


林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。いったん得られたご両親の統合失調症に対する理解がまた逆転してしまったとのこと、大変残念だと思います。

主治医は余りはっきり両親にものを言わないので、

ご本人が統合失調症であることを理解している以上、ご家族に病名を伏せることにもはや意味はなく、ご両親に病気の説明をして協力を促すのが主治医の義務であると私なら考えます。が、何かこのメールに書かれていない事情があるのかもしれず、批判は不適切かもしれません。(事情とは、たとえば、ご両親は息子が統合失調症であると聞いてひどく絶望した。そして、統合失調症であるからといって絶望する必要はないという説明を全く受け入れない。そこで主治医はやむを得ず病名を曖昧に伝えることにした などです)
しかし、病名までは伝えないとしても、

被害妄想について「甘えが原因」と罵られたり、様々な症状を「ふつうのことを大げさに言っている」

これらが誤解であることが医師から説明できない理由はないように思います。
質問者が家族の協力なしに、統合失調症という病気を生きていくのは大変な困難があると思います。質問者から主治医にお話して、少しずつでもご両親の理解を改善していただくよう努力すべきだと思います。また経過のご報告をお待ちしております。

(2011.4.5.)

その後の経過(2011.6.5.)


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