精神科Q&A

【1714】境界性パーソナリティ障害を適切に治療してくれる病院がなかなか見つかりません


Q: 娘は30代半ばです。結婚して離れて住んでいます。本人は、子ども時代から非常に頑張りやで、自分の目的達成には、他人よりもよく努力したり行動したりして達成を図りました。優等生タイプで、正義感が強く人の面倒も誠意を持って損得なしに見る面があります。その反面、小学校の高学年ぐらいから、私への自己主張が激しく、要求と反抗心の強さに、しにくい子どもだとよく思っていました。感情の起伏が激しい面がありましたが、反抗期によくある事と思っていました。ただ、大学時代に家から離れた時、喘息が出たり、過呼吸になったりして心配をしておりました。その後も家から離れて就職をしましたが、勤務先の対人関係や勤務内容の過酷さに、疲弊しきっておりました。このままの状態ではだめになると本人も退職を決めましたが、その頃から、感情の起伏がより激しくなっていたようです。その後、結婚をしましたが、体調を崩し、そして、うつ状態になり、本人と彼女のパートナーが相談して、病院に行きました。うつと、境界性パーソナリティ障害かもしれないと判断されたようです。投薬等の治療と先生のカウンセリングのお蔭で、うつ状態は徐々に回復したようですが、境界性パーソナリティ障害は、今も本人を苦しめています。パートナーにぶつかり、親しい人に怒りを覚えたりで、本人も自分の傾向を知って(何冊かの境界性パーソナリティ障害の本を読んでいる)、治療する事を望んで、いくつか病院を訪ねました。最初通っていた病院は、娘に、「体と心を休ませるように」と言ってくださったのですが、娘が、何とか気分が戻ってきたとき、家の中にいると更に気が滅入ってうつ状態が悪化していくので、外出の機会を持って、技術の習得などをゆっくり、やり始めました。本人も自分の疲れ度を見ながら良い方向へ行くようしていたようです。そして、主治医の先生に自分の体調を伝える時、正直にそのことを伝えたようです。すると、先生は「そんなことをするなんて、普通の人はしません。」と言われたようです。「それは、患者には、言ってはならない事。普通じゃないからみてもらっているのに。」と、そこには通わなくなりました。その後、いくつかの病院を訪ねましたが、ろくろく話を聞いてくださらないで、説明もしないで血液検査をするとか。先生と相性が良さそうだと思っても、投薬だけでカウンセリングはしていない等で、なかなか娘の願うパーソナリティ障害の治療をしてくださる病院は見つかりません。境界性パーソナリティ障害の治療を受けられる病院を見つける難しさを感じております。境界性パーソナリティ障害を治療できる病院は、無いのでしょうか。ご紹介していただきたいのですが。


林: 
境界性パーソナリティ障害を治療できる病院は、無いのでしょうか。

あります。おそらく、娘さんがこれまでに受診した病院の中にあったはずです。

なかなか娘の願うパーソナリティ障害の治療をしてくださる病院は見つかりません。

当然です。「どの病院もどの医師も自分の願う治療をしてくれない」、という訴え自体が、境界性パーソナリティ障害の症状だからです。

いくつかの病院を訪ねましたが、ろくろく話を聞いてくださらないで、説明もしないで血液検査をするとか。先生と相性が良さそうだと思っても、投薬だけでカウンセリングはしていない等で、

このように、何かと理由をつけて、どの病院も自分には合わないと言って次々に病院を変えるのは、パーソナリティ障害に典型的な行動です。
これを続けていたらいつまでも治療は始まりません。

境界性パーソナリティ障害 患者・家族を支えた実例集 の中でも強調したことですが、境界性パーソナリティ障害の治療で最も大切なことは、「治療を始めること、続けること」です。この【1714】のケースのこれまでの経緯は、境界性パーソナリティ障害としては非常にありふれたパターンです。そして、いつまでたってもよくならない典型的なパターンでもあります。

次に受診されるときは、何があっても一年くらいはそこでの治療を続けるという気持ちで受診されることをお勧めします。

ご紹介していただきたいのですが。

このサイトでは病院の紹介は一切行いません。サイトの方針をご確認ください。
また、これまで娘さんがしてきたような受診行動をあらためない限り、誰からどんな病院を紹介されても、この【1714】のケースの治療はうまくいかないでしょう。


精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る