精神科Q&A
【1636】境界性パーソナリティ障害と思われる娘の攻撃を親として受け入れるべきか
Q: 私は64歳の母親です。38歳の一人娘が境界性パーソナリティ障害かと思います。 十代後半より現在まで続いている私への攻撃は途切れる事なく続いて居ります。原因は思い当たる事のあるような・無いような・・・です。 片親でしたので 人様に後ろ指を指されるような事のない生きかたをして欲しいと願って厳しくした記憶はあります。（私がバツイチです） 小さい頃は ぼ〜っとした子でしたので 「自分はどうしたいか、何を思って行動の基準としているか」など 問い質したことも 何度もありました。 娘のお友達は親が揉めることのイヤさや面倒を嫌ってほとんど怒られた経験の無い子ばかりでしたので自分は虐待されたという認識・論理らしいのですが、そこらへんは私には良く分かりません。 同居はして居りませんので、私への攻撃は主にメール・電話・手紙で、マレに帰省するときがあれば「めくるめく信頼と罵倒」の繰り返しであります。 そして、非常に厄介なことに 私の妹が「お助けおばさん」です。妹は 無自覚なのか 悪意なのか 親切と信じてやっているのかはたまた面白がっているのか くるくる変わってまったくわかりません。 ごく普通に恋愛結婚をし、４年目に男の子をさずかりましたが、この子が３才半の時 子供を置いて（私に言わせれば捨てて）家を飛び出しすったもんだの挙句 離婚になりました。 相手の婿・御両親がとても良い人達で 子供はそちらに引き取られて可愛がられ大切に育てられて居りますのでそれが唯一の慰めであります。 私も娘も子供に会うことは叶いません。まあ、それは経過からいっても当然の帰結でしょうと思います。 リストカットなどの自傷行為はありませんが、子供を捨てたという行動が凄まじい破壊行為だと私は思っております。
娘の現況は 東京で一人で暮らし、仕事も良く出来 社会生活はきちんと出来ております。つまり、私に対してだけ異常反応するのです。 長期にわたる攻撃に私も苦しみ続け「鬱」を発症しました。友人が気づいてくれ、心療内科を受診しました。こっそりカルテを覗いたところ「重症」と書かれてありました。 急性期の症状は薬が良く効き、その後は７年間かけて 一日にプロチアデン2錠と不安時デパスを3〜4錠となるまでにこぎつけ 現在は軽症うつを道連れとして何とか暮らしております。（心の友であり相棒の犬との二人暮しです） 多分 私が死ねば娘の病は消滅すると思うのですが、まだ私の身体に生命力があり 当分それは望めそうにありません。あの子を苦しみから解放してやりたくて早くケリをつけたいという思いはいつもあります。しかし、自殺は「残された者への復讐」となってより一層娘を苦しめる結果になるのではないかと迷います。 最近の事件 --秋葉原の無差別殺人事件-- の青年の言い分に「親への恨みがあった」とありましたが、長い間の娘の攻撃が「私だけに限って向けられてきた」という事に今回初めて気づき「あぁよかった！」と変な話ではありますが、心から安堵しました。
今回ご相談申し上げたのには、娘に「変わりたい」「母を憎まないようになりたい」という意思・意識がまったくないこと、お助けおばさんがマッチポンプの役割を延々と果たし続けて変わりようがないことにつくづく嫌気が差してきたからであります。こんなに娘を愛しているのに神様もいつまでも残酷なことをなさると思います。 私も年齢から来る体力の衰えと共にやはり精神力も低下してきているという自覚があり、いつまで自分自身を律して生きていけるか 自信がなくなってきました。 娘を精神科に連れて行くことは私にはできません（無理と思います） 娘の売ってくる喧嘩を一切買わず、メールや電話にも反応しないようにしたら、パーソナリティ障害の「見捨てられ不安」を刺激し「統合失調症」に移行してしまうようなことがあるでしょうか？ そうであれば、このまま親の責任として 死ぬまで娘の気の済むように「怒り・憎しみのターゲットとなり続ける覚悟」をしなくてはならないかと思うようになってきたということもあります。 それは本当に辛いです。でも 必要とあらば親だから、やらねばなりませんよね。「娘のために ターゲットとなり続けなさい、そういう場合もあります」とのご意見であれば それに従おうと思っています。専門家としての先生のご意見は如何でしょうか・・・。 そもそも娘が人格障害では？ と気づいたのが 一昨年あたりからだったと思いますので、長年の我慢をもう少し延長すれば良いだけの事かとやっと、やっと少しずつ思えるようになってきたからなのでもあります。 本当に淋しいような、馬鹿馬鹿しいような、どっちも可哀相な話ですよね。 長文になりましたが 何卒ご助言をよろしくお願い致します。
林:
38歳の一人娘が境界性パーソナリティ障害かと思います。
異論はありません。
お助けおばさんがマッチポンプの役割を延々と果たし続けて変わりようがないことにつくづく嫌気が差してきたからであります。
当然です。お察し申し上げます。
娘の売ってくる喧嘩を一切買わず、メールや電話にも反応しないようにしたら、パーソナリティ障害の「見捨てられ不安」を刺激し「統合失調症」に移行してしまうようなことがあるでしょうか？
そんなことはありません。
したがって、
そうであれば、このまま親の責任として 死ぬまで娘の気の済むように「怒り・憎しみのターゲットとなり続ける覚悟」をしなくてはならないかと思うようになってきたということもあります。
そのように思われることはありません。
それは本当に辛いです。でも 必要とあらば親だから、やらねばなりませんよね。
娘さんが38歳にも達している以上、親だからといってそのようにお考えになる必要はないと思います。
「娘のために ターゲットとなり続けなさい、そういう場合もあります」とのご意見であれば それに従おうと思っています。
そのような意見があるはずがありません。
どうぞご自分の人生を幸福にすることをよくお考えください。