精神科Q&A

【1562】人を信用できない私はパーソナリティ障害でしょうか


Q:  私は20代、既婚女性です。主婦業をしながら、大学の研究科に通い、バイトと仕事をしております。長文になってしまいますが、読んで頂けたら幸いです。 私は人が信用できません。言っていることも全て嘘だと思います。 唯一主人が信用できますが、最近では、おかしい妻を持ち、気の毒だと思っています。 友人らとの関係では、酷いことを言われたりしても言い返すことが出来ず、その癖根に持ってしまい、その対象者に不幸があればいい、もしくは死んで欲しいと思っています。 でもその対象者の前だと普通に振舞ってしまいます。 話を聞いてもらったりしても「ああ、申し訳ないことをした。こんな重たい話を聞かせてごめん」と罪悪感にかられ、余計にストレスになっています。 家に居ても「結婚したからお金があっていいね」等と言われたことが忘れられず、落ち着かず、主人には止められましたが急いで仕事を決めました。 毎日何かしらで「何て自分はダメなんだろう」と思い、気が休まる時が無く、最近になって本当に不安定で、悲しく、涙が出てきてしまいます。キレ易さに拍車がかかってきました。人前では出しません。でも自分の心の中の残酷な部分に驚いて、そこが噴出してしまいそうで怖いです。 気が狂ってしまったらどうしようと、と思います。 人生を終わりに出来たら楽だろうな、と思いますが、主人が居るので死ぬことは出来ません。 入院したいとカウンセラーの先生に言いましたが「仕事減らして家でゆっくりしなさいよ」と言われました。 落ち着ける場所へ行きたいと思ったから入院と言ったのかもしれません。 私には親友、または友達は居ないと思っていますが傍から観ると友人も多い方らしく、社交的で、「私達親友よね」等と言われて驚きます。 

昔の話を書きますが 幼少期から、母親から殴る蹴る、否定的な言葉(本当にバカだ。使えない等)を言われ続けて育って来ました。 否定する割りには「本当に器量がいい」等と褒められたりもします。 記憶があるのが途切れ途切れですが、母親に怒られ追い掛け回されているのですが、母は笑っていて捕まえた私は殴られたと思うのですが、記憶がありません。 ピアノをやめたいと言って、ピアノに叩きつけられ、一時的に打撲で歩けなくなったこともあります。 母方の祖母からも否定的な言葉を言われ続けていました。 可愛がってくれていた母方の祖父は癌で私が8歳の時に他界。 父親は可愛がってくれ、味方でしたが、(殴る蹴るは止めてくれと母に言っていたのを最近知りました)事なかれ主義のところがあり「我慢してくれ」と言われていました。 親が弟を極端に甘やかし、可愛がっていたのでそのことが頭に来て、弟をいじめてしまっていた時期があります。本当に可哀想なことをしたと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。弟との仲は良いです。母から殴られているときは、覆いかぶさりかばってくれていました。 今は実家に居る弟が「死んでくれ」等言われています。 弟と私の共通点は、傍から見ると友人が多い。自己評価がものすごく低い。キレやすい。です。 家庭環境が関係しているのでしょうか? 大学三年時に、母との揉め事(お前なんか一生日の目を見ない等)がきっかけで不眠から始まり、死にたい、生きているのが嫌だ、という感情が溢れてきて、自分でもおかしい、どうにかしなければと思っていて精神科を受診したところ「抑うつ不安神経症」と診断されました。 精神科に行けたのは、進学のため状況し、一人暮らしをしていたからです。 当時、アモキサン、PZC、レンドルミン、デパス、(あと一錠あるのですが薬の名前を忘れてしまいました) を飲んでいました。三ヶ月間くらいです。 眠気が半端でなく、学校でもボーっとして終わってしまい、「怠惰だ」とクラスメイトから言われているのを聞いて益々落ち込みました。 量を増やせば元気になれるのかも・・・とバカなことを考え薬を多めに飲んだりもしていましたが、益々眠気とふらつきが増すばかりでした。 しばらくして臨床心理士の先生からカウンセリングを受けるよう院長から言われ、受けていまして、この先生から薬をやめるよう言われ以後、安定剤等は飲んでおりません。 院長とは合わなかったので、カウンセラーの先生がいる別の病院へ移りました。そこは極力薬を使わない方針のようです。 現在もそのカウンセラーの先生のところへ通っており、三年目になります。お金を払ってビジネスとしてだからか、先生のところでは話が出来ます。 高校1年時にも、母の希望通りの高校へ合格できなかったことがキッカケで不安定になり、友人関係も良くなく、家にも学校にも居場所が無いという状態が続き、「誰かが殺してくれないかな」と毎日考え友人の勧めで精神科に行きました。 親も一緒だったので、初めて付き合った彼氏に振られたことや友達の話のみをしドグマチール・デパス・眠剤を処方され、しばらく通っていましたが「いつまでそうしている気だ」と母との折り合いが益々悪くなり精神科に通うのはやめました。 精神科の先生からも「大学進学の目標があるのだから頑張りなさい」と言われました。 以後、学校で養護教諭が話を聞いてくれていましたが「お母さんのことはもう仕方が無い、あなたが強くならなきゃ」と泣きながら言ってくれました。 書き方が下手ですみません。このような経過をたどり、現在に至っています。

現在はカウンセラーの先生から不安定なのでカウンセリングを増やす(二週間に一度だったのが引っ越しをしたため月一だったのを二週間に一度に戻す)ように言われ、今月から実行しています。 カウンセラーの先生に「私はボーダー (境界性パーソナリティ障害) ですか?」と聞いたら「ボーダーではないです」と言われたのですが、 私にはなんらかのパーソナリティー障害 (境界性パーソナリティ障害?) と思われる部分はありますでしょうか? 私は薬による治療は行わなくて良いのでしょうか? 薬でフラついて眠くてというのがあったから極力飲みたくはないです。 不眠が酷すぎるので、内科の先生からマイスリー5mgを頓服用として処方して頂いております。 この文章からのみですが、母もなんらかのパーソナリティ障害でしょうか?母も虐待されて育っています。今、母親は実親・兄弟と揉めて縁を切って、少しだけ良い方に変わりました。 ODをしたりカジュアルセックス等、危険行為はしませんが自分が何なのか気になっています。 今だに母親におびえ続け、すぐに影響されてしまって、恨んでいる、そのくせ、可愛がって欲しい、認めて欲しいと思っている自分の矛盾がよく分かりません。


林: 
私にはなんらかのパーソナリティー障害 (境界性パーソナリティ障害?) と思われる部分はありますでしょうか?

カウンセラーの先生がおっしゃった通り、あなたは境界性パーソナリティ障害とまでは言えないと思います。しかし、あなたの持っておられる精神的な問題は、パーソナリティ障害にかなり類縁のものと考えられます。その背景には母親からの虐待があるとみるのが合理的で、いわゆる複雑性PTSDに近いもののように見えます。
複雑性PTSDは、精神医学の中で確立した概念ではなく、私自身もこの名称の使用には疑問を持っていますが、言葉の使い方はともかく、パーソナリティ障害とその周辺を考えるためには、かなり有力な概念だと思います。関連として、【0606】【0995】【1111】などをご参照ください。

私は薬による治療は行わなくて良いのでしょうか? 

この【1562】は、パーソナリティ障害とまでは言えないとしても、治療的かかわり方としては、パーソナリティ障害に準じたものが適切といえます。したがって、薬は必ずもし必要ありませんが、だからといって薬物療法が否定されるものではなく、症状や経過によっては薬を併用した治療も考慮すべきと思います。が、少なくとも現時点では、薬の使用はむしろ控えるべきと考えます。


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