精神科Q&A

  【1313】大量に飲酒しなくてもアルコール依存症なのでしょうか


Q:私たち夫婦(二人とも30歳代)のアルコールの飲み方はアルコール依存症かどうかお尋ね致します。

まず主人です。

若い頃から(たぶん15、6歳頃)から そんなには飲めないものの飲酒していたそうです。20代前半は仕事柄大量に飲んでいたらしく日本酒をピッチャーに入れ太いストローで一気に飲み干し、泡をふいて倒れた事もあるとのことです。知り合った頃はとにかくビール、日本酒、バーボンロックとガンガンのんでどこでも寝る感じでした。(ほとんどはお店です)

結婚して10年になりますが、それからは仕事帰りに500mlの缶ビール1本、夕食時に350ml1本、1時間程うたた寝し 10時頃から350mlを2、3本飲んで寝ます。

酒癖は悪くなく、楽しくよくしゃべります。

その他はたまに友人と飲みに行き 時と場合によってベロベロになることもありますが、次の日が仕事とか大事な用事があれば適量にし、ほろ酔い程度かそれ以下で帰宅します。

飲むことはやめられませんが ある程度きちんと抑制できます。


次に、私です。

16、7歳で初めて缶チューハイを飲んだと思います。学生の間は2〜3ヶ月に1度飲むかどうかで 本格的に飲むようになったのは19歳からです。就職し気の合う仲間とほぼ毎日飲むようになりました。量は日によって違いますが だいたい2〜3人でブランデーを1本〜1,5本ぐらいです。お給料はおしゃれと飲み代でなくなっていました。

21歳になり知り合いに頼まれスナックでバイトし始めました。その後別の誘いでラウンジに変わり、酔うとおじさまとも楽しくしゃべれるのですが、シラフのときは何を話せばいいのか...といった感じで困りました。それでまず、昼の仕事が終わると知り合いの店でイッキし、夜出勤するようになりました。アルバイトとして週3〜4回だったのですがバイト以外は友人と飲みに行っていました。ただ月に2〜3度はまっすぐ帰るなり、休みで出るのが面倒なりで家に居るときは1滴も飲みませんでした。お酒が好きというより、「お酒を飲む場」が大好きでした。

深酒をすると大抵記憶がなく 朝ちゃんとパジャマで自分のベッドにいるのが不思議でした。(そうじゃないコトもありましたが)

そんなこんなで主人と知り合い お酒の好きな二人なのでデートの最後はほとんど飲んでいました。

1年程のお付き合いで結婚し、もちろん毎日飲むつもりなんてありませんでした。

ただちょっとした問題があり、私はSEXがあまり好きじゃなく 今まではほとんど酔ってしていたんです。というのも、スタイルにすごくコンプレックスがあり それまで付き合った中の2人にSEXの最中に気にしていることを指摘されたりして、胸を触られていても「小さい胸だな」と思っているんだろうなぁとか その他マイナスの事が頭の中をかけめぐります。

それを知られるのがまた嫌で、幸せな気分になるどころかだんだん吐きそうになり、ただひたすら早く終わってと願っている状態になるんです。

でも酔った状態だとそんなコンプレックスも忘れ、なんとかやり過ごせます。

もちろん主人は私のスタイルなんて全然気にする程のものじゃないと言ってくれますが...。

結婚当初週に3〜4回のペースのSEXで断るとすごく機嫌が悪くなるので、いつそうなってもいいように毎日飲むようになりました。

10年も経つとさすがに回数は減りましたが それでも10日に1度はあります。

ここ数年は「ない」とわかっていても 毎晩二人で飲みます。私は缶ビール350ml3本程です。月1〜2回外食で飲みすぎる事もありますが それでも生ジョッキの中を5〜6杯程度です。

私たち夫婦はとても仲が良く、子供が週末実家によく泊まりに行くので、二人で趣味を楽しんだり、食事に行ったりしています。

でも今の私たちがあるのは、夜飲みながらたくさんのことを話す時間を持てているからです。趣味の事、子供の事、仕事の事、親の事。お酒を飲みながらだから話せる事もあります。

私は飲みだすと話すのがとても楽しくなりますが 酔うともう少し飲みたいと思い始めます。そんな時は主人からストップがはいります。それで腹が立つなんてことは一切ありません。

どこかに 酒を飲むいいわけをつくるのもアルコール依存の特徴とかいてありました。
ここに書いた内容は そう考えるとすべていいわけです。
私たち夫婦はアルコール依存症ですか?

今は、予備軍のようなもので このままだと必ずといっていいほど依存症になる可能性が高いのでしょうか?

ちなみに二人とも昼間は飲みませんし 手の震えなどもありません。私は普段は一日3本までと決めています。主人は仕事帰りからだと5本程です。

私たちの飲み方がたしなむ程度かわかりませんが、たしなむ程度も最終的には良くないという事ですか?

自覚は全くありませんでしたが、先生のサイトを見ているうちになんだか不安になって メールさせて頂きました。お忙しいかと思いますがご返答頂けたらうれしいです。


林: アルコール依存症かどうかの判断の決め手は、コントロール喪失飲酒になっているかどうかです。もちろん飲むアルコールの量そのものも重要で、過度に大量であればアルコール依存症の可能性は高いことは事実ですが、本来は量ではなく、飲み方にコントロールがきいているかどうかがポイントです。
ところがここでの問題は、アルコール依存症の人の多くは、自分は飲み方をコントロールできる、あるいはできている、と主張されることです。
ですから、たとえばこの【1313】のご主人に関しては、

飲むことはやめられませんが ある程度きちんと抑制できます。

この「ある程度きちんと抑制」が、実際はどの程度のものかがポイントになります。そしてそれはこのメールからだけでは判断できません。

次の日が仕事とか大事な用事があれば適量にし、ほろ酔い程度かそれ以下で帰宅します。

という記述からは、コントロールできているように読み取れないこともありません。しかし、このようなコントロールが本当に必ずできているのか。
こんなふうに疑う理由は、アルコール依存症では、しばしばご家族の側にも否認があるからです。つまり、この例でいえば「自分の夫がアルコール依存症のはずがない」という観念が、意識・無意識を問わず、質問者の側に存在する可能性があることは否定できないと思います。

【1313】の質問者(妻)に関しては、飲酒をコントロールできているのかいないのか、このメールからは全くわかりませんので、判断できません。飲酒についてのいわゆる「いいわけ」だけがいくつも書かれていることからは、アルコール依存症らしいとも言えますが、もちろんそれだけでは判断するまでには至りません。

というわけで、ご夫婦両者とも、アルコール依存症かどうかは判断できません。予備軍といえるかどうかもわかりません。ただ、今の飲み方を続ければ、仮にアルコール依存症にはならなくても、何らかのアルコール関連障害(身体障害、事故など)が発生する可能性は否定できないと思います。


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