#1 うつ病の真実 野村総一郎 著 日本評論社 2008年4月

日本うつ病学会前理事長であり、うつ病に関する多数の本を著しておられる野村総一郎先生が、うつ病の歴史から現代的問題までをまとめられた一冊です。うつ病についての本が大量に出版されている現代では、どの本を読んだらいいか迷われることも多いかと思いますが、迷う必要はありません。これが間違いなくナンバー1です。したがって、あえて内容をご紹介するまでもないかもしれません。以下に章立てだけ示すことにします。
逆に一つだけ注意点を挙げるとすれば、これは「とてもやさしい本ではない」ということです。うつ病についてのあらゆる真実が書かれているわけですから、「とてもやさしい」とはいかないのは当然で、これは欠点とはいえませんが、まずは実物を手に取ってパラパラと見ていただき、少なくとも「とても難しくはない」と感じられたら、ぜひ購入されて全てをお読みください。そうすればうつ病の真実の全てがわかります。

第1章 あれもこれもうつ病?
第2章 進化生物学からみたうつ病の意味(その1)
第3章 進化生物学からみたうつ病の意味(その2)
第4章 ギリシャ悲劇にみるうつ病(その1)
第5章 ギリシャ悲劇にみるうつ病(その2)
第6章 古代ギリシャ哲学・医学のうつ病観
第7章 旧約聖書にみるうつ病
第8章 意識の誕生とうつ病の発生
第9章 ローマ時代からルネサンス期に至るうつ病
第10章 メランコリーから躁うつ病へ
第11章 現代的うつ病概念の完成
第12章 操作的診断の登場とうつ病観の変質
第13章 操作的診断の問題点
第14章 病前性格論と双極スペクトラム概念
第15章 うつ病治療の発展(その1)
第16章 うつ病の治療の発展(その2)
第17章 うつ病の化学
第18章 細胞のストレス反応とうつ病の正体
第19章 うつ病の真実は見えてきたか




ホームページに戻る