精神科Q&A

「心の悩み」の精神医学 野村総一郎著 PHP新書



 とりあげられている病気は、パニック障害、うつ病、心気症、PTSD、摂食障害、気分変調症、境界型人格障害、仮性痴呆の8種類です。


 この本をおすすめするのは、わかりやすさに加えて、正確さ・公平さがあるためです。こころの病はとても多いのですが、原因などがわかっていないことも多いのが現状です。本によっては、わかっていないことを一方的に解釈して、著者の説を押し付けているものがよくあります。こういう本は、文章さえうまく書かれていれば押し付けは感じられず、かえって明快でわかりやすいこともありますが、結局は害の方が多くなります。その点「「心の悩み」の精神医学」は、わかっていないことはわかっていないと明記してあります。公平というのはそういう意味です。しかも、わかっていないからどうしようもないという敗北主義ではなく、わからないなりにどうするのが最善で、悩みを乗り越えられるかを具体的に示してあります。

 

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