精神科Q&A

【2379】音声チックなのに統合失調症にされてしまいました


Q: 私は20代の男子大学生です。プライベートで色々と揉めて休学しています。以前行っていた心療内科で非定型精神病と診断されどの薬も合わず入院を勧められ精神科に転院となり、1ヶ月経った頃死にたいと呟いたところ医療保護入院で入院をすることになり2ヶ月程入院しました。主治医は私とのはじめての面談の時に統合失調症であると告げました。理由としては心療内科医からの紹介状で幻覚、幻聴、妄想の兆候が見られるという風におっしゃりました。しかし私は心療内科でのカウンセリングの時に音声チックを患っているため周りの視線が気になると言ったところ幻覚、妄想と診断されました。主治医も統合失調症の治療方針で物事を勧めて行きました。元々嘘つきで思い込みが激しく、不安になりやすい性格ではあるのですが妄想や幻覚、幻聴などを感じた事は一切ありません。その後通院治療を続けていくうちに主治医が転勤となり最後に聞いておこうと全てを話したところ半年という短い期間の中ではあなたが統合失調症という事はわからなかった。頭がパニックになるといった症状がもしかしたら統合失調症かも知れないと思ったと言われ精神医学を専門としている教授に相談したところ音声チックの治療の為にメジャートンキライザーや強力精神安定剤を使う事があるが今のは量が多すぎると言われました。いわゆる保険病名だと言われました。今後は薬を減らしていくことが大切だと言われました。 ここで質問です。 私は統合失調症なのでしょうか、それとも他の病気なんでしょうか。 音声チックを治すためにはどうすればいいのでしょうか。 復学は可能なのでしょうか? 回答よろしくお願いいたします。


林: 文面だけをそのまま読めば、この【2379】のケースの真実はわかりません。しかし、次のように言うことは確実にできます。

しかし私は心療内科でのカウンセリングの時に音声チックを患っているため周りの視線が気になると言ったところ幻覚、妄想と診断されました。

統合失調症の人は、しばしばご自分が統合失調症と診断された経緯について、こういう説明をするものです。すなわち、自分の症状には統合失調症に似ているところがあるが、しかし自分の場合はそれなりの理由があってそういう症状が出ているのだから、統合失調症という診断は誤診だという説明です。

元々嘘つきで思い込みが激しく、不安になりやすい性格ではあるのですが妄想や幻覚、幻聴などを感じた事は一切ありません。

妄想や幻覚は、本人が妄想や幻覚だと認識できているとは限りませんから、本人からのこのような説明は診断上は意味がありません。

精神医学を専門としている教授に相談したところ音声チックの治療の為にメジャートンキライザーや強力精神安定剤を使う事があるが今のは量が多すぎると言われました。

これもよくある説明で、直接みていただいている先生以外の何らかの権威ある人物が、自分に今なされている治療は誤りであると言っている、として、自分のほうが正しいことを主張するというパターンです。このような場合、それがいかなる権威ある人物であっても、その人の症状の一部しかみていないか、あるいはその人自身からの説明しか聞いていない以上、その人物の見解には信頼性がありません。(一般論としての信頼性はあっても、その人の診断や治療についての見解としては信頼性はありません)

プライベートで色々と揉めて休学しています。

統合失調症の人が精神症状のために休学や退職する場合の、典型的な説明です。
(「プライベートで・・・」と説明されれば、多くの人はそれ以上質問をすることを控えるからです)

1ヶ月経った頃死にたいと呟いたところ医療保護入院で入院をすることになり2ヶ月程入院しました。主治医は私とのはじめての面談の時に統合失調症であると告げました。

質問者が統合失調症であるという判断に強く傾く、これが何よりの証拠です。

私は統合失調症なのでしょうか、それとも他の病気なんでしょうか。

統合失調症である可能性が最も高いと思います。

(2013.4.5.)


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