精神科Q&A
【2359】パニック障害として治療を受けていますが、てんかんではないでしょうか
Q: 51歳女性です。三年程前に 朝覚醒時に カクッとなった途端に痙攣発作が起こり意識はしっかりしていたものの その痙攣が2〜3分続き その時 口に違和感があり、歯がバラバラになるような嫌な感覚に襲われ 治まった後呂律がはっきりしない状態が1分ほど続き 初めての事だったので救急搬送してもらったのが、異常なしでした。 その一年後にまた発作が起こり、状態もまちまちなのですが 硬直発作 呂律がはっきりしない 嫌な感覚意識障害。 寝入りばなの発作もあれば 覚醒時の発作 就寝時の発作と状態はまちまちです。脳波を何度検査してもらっても脳波に異常がないとの事で、現在 心療内科で ジェィゾロフト デパス ワイパックス マイスリーを処方頂き飲んでおりますが、あまり改善がなく 時として発作が一ヶ月に数回に及んだりします。発作の起因は過呼吸だったり息詰まりだったり 吐き気であったりするのでしょうが 発作そのものはてんかんのような気がします。このまま今の心療内科を受診するよりは 転院を考えたほうがよいのでしょうか? 最近の発作では 口の中を噛んだり舌を噛んだりという事もあります。
林: これはてんかん発作だと思います。発作の起こり方、発作の内容、経過、いずれもパニック障害とは異質もので、逆に、てんかん発作として典型的といえます。てんかんでは、一回の脳波検査であればともかく、脳波検査を繰り返せば異常所見が見つかるのが常ですが、見つからないケースももちろんあります。その場合は何時間も連続して脳波検査をするという方法がありますが、それは普通の病院やクリニックではできない検査です。けれどもてんかんの診断とは、脳波に異常がないからといって否定できるものではないことは医学的な常識です。
今の心療内科を受診するよりは 転院を考えたほうがよいのでしょうか?
これだけはっきりしたてんかんの症状があるのに、パニック障害として治療を続けている、そのような医師は信用できません。すぐに転院したほうがいいです。【2359】は40代後半になってから初発したてんかんですので、脳内に腫瘍などの異常があり、それが原因でてんかん発作が起きている可能性もあります。脳のCTまたはMRIの検査を受けることも必要です。
(2013.2.5.)