精神科Q&A

【2316】擬態うつ病の私は、このまま精神科に通っていていいのでしょうか 


Q: 28歳、実家暮らしのフリーターです。気がつけば4、5年くらい精神科に通っています。 ここのサイトで擬態うつ病という言葉を知って、大変衝撃を受けています。まったく自分のことではないのか?と。本を買って読んでみようと思います。 先生にちゃんとした「うつです」と診断されているわけでもないのですが、いつも「私は別に通わなくてもいいくらいなんじゃないかな」と、思っていました。 アームカットしたり、「こんなひどい人たちがいるこの世界で生きていたくない!」と思ったり、陰口におびえたり、劣等感に苛まれたり、何もやる気がおきない日があったり、なぜか昔戦争で死んだ人たちを儚んで泣いたり、生きてて何になるの?と考えたりします。その時は、確かににつらいと感じている時間です。 でもそれは、人より落ち込みが激しいだけ、心配症なだけで、割とふつうなことではなのではないかともおもいました。 だって普段は、バイトはちゃんと行かなきゃ、楽しい、おいしいと感じられるし、信頼できる友達、あったかい家族もいてくれます。 いままで、なんとかしたいと自己啓発テープを通販したり、本を読んだり、中学の頃からやってきましたが、いまいちネガティブな思考が変われてる気がしません。最近では、この年でフリーターで恋愛経験がない不安も加わってきました。わたしは精神的に強くなって、自立したいです。 だから、病院には心の弱さの不安を和らげてもらって、もっと強くなる手助けをして欲しいと思っています。精神科に通っているからといって、それを盾に楽するつもりもありません。 でも、それが、もっと治療が必要な人たちの時間、先生の貴重な時間をとってしまっているのではないかと不安です。 私は、このまま通ってていいのでしょうか?


林: 擬態うつ病であるということと、治療の必要がないということは全く異なります。
擬態うつ病には、うつ病の治療として知られている治療(すなわち、薬を中心とする治療)をそのままあてはめることはできないということにすぎません。
質問者の希望は、

病院には心の弱さの不安を和らげてもらって、もっと強くなる手助けをして欲しいと思っています。

とのことですが、病院にはそのような手助けをする責務があるという考え方と、そのような手助けは医療の範囲内ではなく、したがって病院でそのようなことまですべきでないという考え方もあります。これはかなり微妙な問題で、サイコバブル社会に論じてあります。

なお、この【2316】の質問者の病名は不明です。うつ病でないかもしれませんが、他の精神疾患である可能性もあると思います。
したがいまして、今回の回答でお伝えできることは、回答の冒頭、

擬態うつ病であるということと、治療の必要がないということは全く異なります。

という一般論だけで、この【2316】のケースではどのような対応が適切であるかはわかりません。

(2012.11.5.)


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