精神科Q&A
【2253】解離に自覚がある私は甘えているのでしょうか
Q: 現在28歳女性、抑うつ・解離性健忘・過食嘔吐・リストカット・ODなどを主訴として、『情緒不安定性人格障害』との診断名で児童精神科に通院中です。生育歴としては、母がBPD/父が躁鬱+アルコール依存症の為ネグレクト/虐待環境で育ちました。表題の件、解離について質問させて下さい。14歳時に解離遁走を初発し、以後遁走や健忘を繰り返しているのですが、最近になって『今から解離する』感じがわかるようになってきました。また、診察に行った際も攻撃的な言動をしてしまう時、うつの抑制が強く物が全く喋れない時、自傷・自殺をしたい事を訴える時、何も言わずに泣き出してしまう時など、自分の状態がバラバラの為主治医はDIDも疑っているとのことです。日常生活でも同じく、調子によってやる事/言う事が変わってしまう為、就労がとても難しい状態です。ですが、DIDにあるような人格が分かれる事はなく、私の人格は一つだと思っています。解離に自覚があるということは、私の症状は甘えや詐病なのでしょうか。
林: 甘えや詐病ではありません。
解離という症状には様々なレベルがあり、自分では全く意識できないものもあれば、このケースのように、
『今から解離する』感じがわかる
ものもあります。
また、本人としても、わざと症状を作っているような意識がどこかにあるというケースも稀ではありません。
したがって、この【2253】のケースも、決して甘えや詐病といったものではありません。今の先生からの治療を根気良く受け続けてください。
(2012.6.5.)