精神科Q&A
【2157】若者らしさがなくなってしまった弟
Q: 20代男性です。我が家の弟についてなのですが、不審な挙動がありますので、精神科に受診させてもいいものか悩んでいます。こういう質問の書き方が分かりませんので、箇条書きにします。 *ここ数年、食事などで止む無く席に付かなくてはいけない状況以外では、家族団らんの時も何故か部屋の隅っこに立っている。 ⇒会話にも受身ながら入ってくるし、団欒の場を拒否しているというよりは、まるで団欒そのものから距離をとっているようです *一人の時は、空を眺めながら真っ暗な部屋で座っている ⇒よく分かりませんが、風の音や空気の匂いも毎日違って飽きないんだそうです *まるで写真やらお土産やらを持ってこない ⇒五感で感じたもので充分だそうです *数年前から、弟が寝ている姿を見た事がない ⇒いつ部屋に行っても、ずっと真顔でどこかの外国語の本を読んでいるか、空を眺めています(何語かは分かりません) *ものすごく言葉数が少ない ⇒私が話題を振ろうにも、即座に一言で話の終着点とおさえてしまうので、会話がまるで広がりません 何というか・・・俗に言う「かまってほしい」オーラの真逆のオーラで、ものすごくやんわりと拒まれているような気分です。幼い頃は天真爛漫に田んぼを走り回っていたというのに、今ではまるで老獪にでも至ったような雰囲気が若者らしくなく、正直中学二年生としてはもっとアクティブであってほしく思います。(こういった事を本人に指摘しても「布と一緒で各々で基調が違うから人間模様は鮮やかになる。」などと、話をあさっての方向に捻じ曲げてしてしまいます)。 このような場合、弟は未成年ですので、もし親が「こんな暗い性格は異常なので治療してください」と言えば、投薬してくれるのですか?弟は話を終結させるような言葉を言うでしょうが、「病人は自分の病気を自覚できないんだ」と言えば、飽くまで保護者の了承次第で原理的に可能になるのではないでしょうか?
林: 箇条書きにされている弟さんの様子は、どれも特定の病気の症状と判断できるものではありません。けれども、元々このような傾向が全くない方が、十代や二十代において、特にきっかけなく精神状態にこのような変化をきたした場合、統合失調症の発症が疑われます。精神科を受診すべきです。
(2011.12.5.)