精神科Q&A
【2138】79歳の父が重症のせん妄のようだが、回復を待つしかないのか
Q: 40代男性です。一ヶ月半前、肺がん治療のために入院していた79歳の父が、その後肺炎を併発しかなり厳しい状態になりました。抗がん剤の治療は上手く行っており主治医も肺炎はたぶん直せるであろうが、絶対の安静が必要なので眠らせて治療をしたいとの説明がありました。というのも肺炎の状態が悪くなるにつれ、本人の発言が強硬になってきており、また激しく動き回る(看護師の言葉では暴れる)様になっており酸素濃度を維持できないためとの事でした。最終的には人工呼吸器を付け安静状態を作る事により、肺炎はかなり良い方向になり一昨日人工呼吸器も外す事ができました。ところが意識が戻りだすと前述のように言動が乱暴であったり暴れたり、また奇声を上げたりするようになりました。主治医の話では「せん妄」が残った様だとの事ですが、特に投薬などの手段は取らないようです。こちらに投稿されている内容と比較するとかなり重症のせん妄のように思えるのですが、やはり時間の経つのを待つしかないのでしょうか?せっかく肺がんの治療が上手くいっているので、早めに次の治療が出来ればと思っています。またせん妄が直らなければ抗がん剤の治療は不可能なのでしょうか?
林: せん妄とみて間違いないと思います。
こちらに投稿されている内容と比較するとかなり重症のせん妄のように思えるのですが、
とのことですが、このメールの記載から判断する限り、せん妄のQ&Aの実例に比べて、特別に重症ということは読み取れません。
時間の経つのを待つしかないのでしょうか?
それが最善だと思います。せん妄の症状があまりに激しければ、抗精神病薬などを使う必要がありますが、せん妄は自然経過で回復するのが常ですから、できればそうした薬は使いたくないものです。
またせん妄が直らなければ抗がん剤の治療は不可能なのでしょうか?
そんなことはありません。
(2011.10.5.)