精神科Q&A
【2063】感情の起伏が激しい。記憶が飛ぶ。幻聴。
Q: 18歳の娘を持つ母です。初めて精神科心療内科に受診したきっかけは、16歳のときです。感情の起伏が激しく、何に対して怒りだすかも予測不可能で、特に母親である私に対する言葉の攻撃があり疲弊していた時でした。ある日、娘が「時々、記憶が飛ぶんだよね。車に長時間乗っているとジェットコースターに乗っているような感覚になる。それに何か聞こえる時もあるんだ。」と言うので連れて行きました。最初に処方されたのは、リスパダールです。すぐに幻聴は消えました。(人の声のような気がすると当時は言っていました)記憶が飛ぶのもなくなったようですが、感情のコントロールができないこと、衝動的な行動(リストカット、癇癪、家を出て行こうとする)があること、親しい人への言葉の攻撃、子供のようなぐずり、は改善しないため今まで三年間薬を変えては飲み続けています。(エビリファイ、セロクエル、バレリン、セルシン、デパス、ルーラン、今はジプレキサ5mmとデパス1mmです。)それでも、症状はあまり改善されず。友人関係の不安定さもあり、三年間付き合った彼に別れを告げられたときは、どうにか別れないようにとしがみつき行為をし、彼も疲れきっていたのだと思います。結局別れました。今は、あきらめることが出来ないらしくまた、感情が不安定です。不思議と衝動的な行動を起こした後は、何事もなかったように平然としています。学校とバイト先では普通にしているようです。特にバイト先では信頼もあり、あてにされているようです。年齢より上に見られるようです。外では大人っぽく、家では幼稚園の駄々っ子のようです。娘の病気は何でしょうか?幻聴=統合失調症だと思っていた私は、主治医に2度ほど、聞いたことがあります。その時の答えは、統合失調症ではありません、現時点では神経過敏症としか言えないとのことでした。娘は行動的で家にじっとしていることは稀です。時々、自分でたてた忙しい予定に疲れているようです。母親の私も娘の対応に、苦慮しています。病名は何でしょうか?対応策はありますでしょうか?よろしくお願いします。
林:
幻聴=統合失調症だと思っていた私は、
幻聴があった場合、第一に考えなければならない病名は統合失調症ですが、「幻聴 = 統合失調症」ではないことはここまで解説してきた通りです。
この【2063】の診断名は境界性パーソナリティ障害で、その症状の一つとして解離がみられているのだと思います。【2062】もご参照ください。
◇ ◇ ◇
【2000】から【2078】までの回答は一連の流れになっています。【2000】、【2001】、・・・【2078】の順にお読みください。
(2011.6.5.)