精神科Q&A

【2059】常に誰かに見られている感覚と自傷行為


Q: 20代女性です。私は14歳の頃から情緒不安定で、体調も常に悪く、自傷行為(さほど酷くはない)を繰り返しています。原因は自分では、女子校という環境で常に誰かと誰かが悪口・僻みなどを言ってる様子を見てきたこと、それを私が異常なほど毛嫌い(汚いと感じていた)していたこと。また、成績など周りの期待をプレッシャーに感じていたことなどだと思っています。16歳の頃には、食欲が全くなくなり、ぽっちゃり体型でしたが体重は10キロほど落ちました。大学に入ってからは自傷行為自体減っていますが、今も続いています。また、常に誰かに見られている感覚があります。これも15歳頃からなのですが、「誰かが窓からのぞいている。ベランダにいるのは女の人、窓にいるのは女の子。」などです。自分が映るもの(ガラスや鏡など)、小さな隙間などが気になって仕方がないのです。これには波があり、全く気にならないときとものすごく気になるときがあります。気になり始めると、隙間を物で埋めたり、鏡を布でかくしたり、窓はぴっちりカーテンを閉めます。夜眠るときは怖くて仕方がないと、布団を被ってます。それでも誰かが見ている気がしてとても怖いことがあります。同じような感じなのですが、公衆トイレでも私は絶対に一度カメラなどが無いかチェックしないと落ち着きませんし、現在私は一人暮らしですので、留守中部屋に誰かが入ったのではないかといつも気になっています。1年前、一度心療内科を受診した際「アンデプレ」というお薬を頂いていました。不眠と抑うつ、不安感が酷かったので受診しました。お薬はあまり効いたように思わなかったのですが、話を聞いていただけるので半年ほど通いました。現在は通っていないのですが、自傷行為がやめられないことと、夜に視線・影・幽霊が怖くて寝つきがものすごく悪いです。ですが以前ほど気分が落ち込んだりすることも無いですし、こんなことで病院に行っても迷惑なのではと思ってしまいます。自分でどうにかしたいのですが、どうすべきなのか分かりません。ご助言頂けたらと思い質問させていただきました。よろしくお願いします。


林:
常に誰かに見られている感覚があります。これも15歳頃からなのですが、「誰かが窓からのぞいている。ベランダにいるのは女の人、窓にいるのは女の子。」などです。

これは、統合失調症、解離のいずれもが考えられます。
その後の経過をみるとどちらかといえば解離のようですが、

公衆トイレでも私は絶対に一度カメラなどが無いかチェックしないと落ち着きませんし、現在私は一人暮らしですので、留守中部屋に誰かが入ったのではないかといつも気になっています。

これは逆に統合失調症らしいといえます。

そこで振り返ってみますと、

私は14歳の頃から情緒不安定で、体調も常に悪く、自傷行為(さほど酷くはない)を繰り返しています。

この時点で、パーソナリティ障害の萌芽があったとみることも可能で、そうであれば解離の診断に傾くといえます。

説明が二転三転して申し訳ありませんが、結論としてこの【2059】は解離、統合失調症のどちらの可能性が高いか判断できません。

しかし、診断が何であるにせよ、

自分でどうにかしたいのですが、どうすべきなのか分かりません。

その通りで、ご自分の力だけで対処するのは困難だと思います。

こんなことで病院に行っても迷惑なのではと思ってしまいます。

迷惑などということはありませんので、また通院を再開することをお勧めします。以前のように、ただ話を聞いてもらうだけでも十分に意味があります。

◇ ◇ ◇

診断がはっきりしない場合、それも、特に統合失調症の疑いが残る場合、精神科で慎重に経過をみていただくのが最善の方法です。ですから「精神科で話を聞いてもらう」だけで大いに意味があります。


【2000】から【2078】までの回答は一連の流れになっています。【2000】、【2001】、・・・【2078】の順にお読みください。


(2011.6.5.)


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