精神科Q&A
【1952】うつ病で入院歴があるのですが、常に気持ちが落ち込んでいます
Q: 20代女性です。五年前にうつ病と診断されて入院をしました。それから浮き沈みをくり返しながらも、二年前に主治医から通院・薬はもう必要ないでしょうということで病院通いが終わりました。 その後、大きな変化はないのですが、常に気持が落ちこんでいる状態が続いています。はじめは薬をやめたからこのくらいの調子の悪さはまああるのだろうと思っていたのですが、もう二年もこの状態が続いています。月の半分ほどを鬱々とした気持で過ごし、何も意欲が持てず、やりたいこともなく、欲しいものもないし気分転換するにも何をしたらいいかで悩んでしまいます。それから将来に希望が持てないため、何をしても無意味に感じられますし、人とも会いたくない、話していることが全部うわべだけのことで泣きたくなります。 もともと人付き合いが極度にできない性格なので、適応障害や人格障害、このサイトでときどき見かける擬態うつ病なのではないかとも思っていて、以前の主治医からもその傾向があるといわれたこともあります。 現在は専業主婦をしています。気晴らしにパートでもしてみたほうがいいのではないかと思っているのですが、慢性的にある虚しさと早く死ねたらいいのにという思いで、何度か働いてはみているのですが続けることができません。 職場のほうからクビを告げられるというわけではなく、仕事はやらなければいけないとなればきちんとできているのかは自分にはわかりませんが自分なりに一生懸命やることができ、集中力が途切れてしまうとか失敗を繰り返してしまうとかいうことはありません。しかし、家に帰ってくると疲れ果ててしまって家事が一切できなくなってしまい、気晴らしで始めたパートなのに自分の首を締めてしまう結果に終わってしまいます。 月のもう半分の落ちこんでいないときというのは、わりと元気で、何でも行動できます。だいたい気晴らしのパートのことを思いつくのも調子のいいときで、それで後から後悔する、というパターンです。 この状態が長く続いており、いつかは普通に戻るだろうとその都度その都度自分にいいきかせ死にたい気持など誤魔化してきましたが、もしかしたらこのままでは一生このままなのではないか・・・という気がしてきました。 いまの自分の状態は病院にかかったほうがよいのでしょうか。それとも、自力で解決策を考えてやっていくべきなのでしょうか。 うつ病でも薬なしで治った人がいるということも聞いていますので、私も薬がなくなって通院をしなくなった当初の頃は、これから先、自力でなんとかやっていこうと思っていました。しかし、このごろになってひょっとしたら自分たちの考えは間違っているのでは?と思うようにもなったのです。
林: あなたがうつ病かどうか、ひとつのポイントは、
五年前にうつ病と診断されて入院をしました。
このときの症状と経過がどのようなものであったかということです。もしこのときにはっきりしたうつ病の症状があったのであれば、今の状態は再発に間違いありません。
また、
それから浮き沈みをくり返しながらも、二年前に主治医から通院・薬はもう必要ないでしょうということで病院通いが終わりました。 その後、大きな変化はないのですが、常に気持が落ちこんでいる状態が続いています。
このように書かれていますが、薬を飲んでいた時とその後にどのような違いがあるのか、また、その違いは薬をやめてからどのくらいたった時点で現れたのかも大きなポイントです。メールの文章からはこの点がはっきりしませんが、服薬していた期間とそうでない期間で明らかに症状が違うのであれば、やはりあなたはうつ病で、長期間の服薬を必要とするタイプであると判断できます。
月の半分ほどを鬱々とした気持で過ごし、何も意欲が持てず、やりたいこともなく、欲しいものもないし気分転換するにも何をしたらいいかで悩んでしまいます。
月のもう半分の落ちこんでいないときというのは、わりと元気で、何でも行動できます。
このように、半月ごとにうつ病相が現れるというのは、うつ病として典型的とはいえませんが、もし上に指摘したような点が満たされれば、周期が短いことは、うつ病を否定する根拠にはなりません。むしろ周期がはっきりしているという点を重視すべきで、それはうつ病であるという診断に大きく傾きます。
うつ病でも薬なしで治った人がいるということも聞いていますので、
そういう曖昧な情報に基づいて、自分の状態を判断するのは間違っています。その人がうつ病であったかどうかも全くわからないことです。
このごろになってひょっとしたら自分たちの考えは間違っているのでは?と思うようにもなったのです。
その可能性は大です。精神科を再度受診されることをお勧めします。
(2011.2.5.)