精神科Q&A
【1894】心の病の診断書が多くでるようになったのは良いことだと思いますが、そうなった原因はどのようなものでしょうか
Q: 40代男性です。 毎月5日に拝見しています。以前(ここ20年ぐらいのスパンですが)は、気持ちの持ち方だとか、単なる性格の問題だとかで片づけられていた症状が、「病気」として診断書が出て、心の病で休みたい人、休んだ方が、将来改善の方向に向かいそうな人が、休みをとりやすい環境になったことは、良いことだと感じます。@実際に社会状況や環境が変わり、ストレスが増えて、病人が増えたA病人の数、率は昔も今も大差ないが、報道される機会が増えたB報道の増加に伴い、自分を病気だと自覚する人、できる人が増えたC研究が進み、お医者さんが病気と判断して、診断書が書きやすくなった(診断書を書く機会が増えた)など、原因はいくつかあるように思いますが、一番は何だとお考えでしょうか。また、心身の不調を訴えた患者が、会社を休みたいという希望をすれば、お医者さんは、明らかに詐病が疑われない限り、診断書を書いて休ませる処置をするものでしょうか。
林:
気持ちの持ち方だとか、単なる性格の問題だとかで片づけられていた症状が、「病気」として診断書が出て、心の病で休みたい人、休んだ方が、将来改善の方向に向かいそうな人が、休みをとりやすい環境になった
ここまではご指摘の通りです。
それに続く、
ことは、良いことだと感じます。
これについても、良いことか悪いことかの二者択一であれば、「良いこと」です。が、良いことばかりではなく、今後、良くない面が増大していくという強い可能性があります。
これは大変大きな問題で、背景にはたくさんのからみあった事実があります。それについてお書きしたのがサイコバブル社会です。この【1894】のご質問への回答はすべてその本の中にありますので、ぜひお読みください。
(2010.12.5.)