精神科Q&A
【1788】統合失調症と診断されていますが、結婚に備えて通院をやめました。
Q: 27歳の女性です。私は主治医から統合失調症と診断されています。3年前からリスパダールを服用していました。私は今年中に結婚を控えています。相手の男性は私を傷つけない様に接してくれます。本当に私は結婚していいものかと悩んでいます。何かアドバイスを頂ければ幸いです。 現在の状況男性は24歳で、約2年前からお付き合いしています。私たちは、去年の11月から同棲しています。男性のご両親に結婚の挨拶は済ませています。男性は私の病気は知っていますが、ご両親には伝えていません。男性は7月に転勤を控えていて、北は北海道から南は九州まで、異動の可能性があります。私は男性と同じ事務所内で働いています。現在、5月末の退職に向けて引継ぎ業務を行なっています。ただ、新しい担当者、新しいパートさんへ仕事メンバーが変わり、私は休みがちになっています。もちろん、引継ぎは終えて仕事に支障はありません。
結婚、妊娠を視野に入れ、同棲してからは通院しなくなりました。2年間、自立支援に加入していましたが、将来のことを考え、期限が切れる去年の11月より、手続きしていません。現在男性の協力により、普通免許の取得に通っていますが、他の教習性と同乗する様になり、怖くて行きたくなくなりました。 病状気分は、私は最低な奴なので、他人に迷惑をかけていると感じています。自分の意見を言えばワガママだし、何も言わなければわからないと言われます。正しいことが分からなくて、何をしたら良いのかわかりません。一番怖いのは、私が話した言葉(フレーズ)を、後日私がその言葉を言った人と違う人が私に言ってくるときです。アルコールは、夜眠れないために大学性の頃から、毎晩500mlを二本飲む様になりました。最近、急激に痩せました。家の中で一人のときならたくさん食べられるけど、他人と一緒だと、ちっともお腹が空きません。一食でも平気なくらいです。夜は暗闇が怖くて、最小の明かりをつけます。お風呂に1人で入れません。大きな音は怒られている気がして、いてもたってもいられません。観覧車が苦手で落ちるんじゃないかと、手すりを握り締めています。私が通ると、みんな鼻をすすったり、鼻に手を押し当てたりします。私はとても臭いのだと思います。 相手の男性が私の前だととても優しいのに、他の人の前だととても厳しくなります。私に言われている気がして困惑します。あんなに優しい人を怒らせてしまいました。私はこのまま結婚しても良いのでしょうか?
林:
本当に私は結婚していいものかと悩んでいます。
もちろん、ご結婚されることをお勧めします。
統合失調症が良くなって、結婚をお考えになる段階になっている。それは、これまでの治療が適切だったことの証です。「治療が適切」というのは、あなたの主治医の治療が適切だったことだけでなく、あなた自身が医師の治療を適切に受けてきたことの両方を指しています。
その結果、あなたの統合失調症はかなり改善したことは確かです。ただし、結婚というのは人生の中のとても大きなイベントであり、さらに改善するステップになることが期待できる一方、再発や症状悪化のきっかけにもなり得ることを十分に認識する必要があります。つまり、これまで以上に、慎重に治療を続ける必要があるということです。したがって、
結婚、妊娠を視野に入れ、同棲してからは通院しなくなりました。2年間、自立支援に加入していましたが、将来のことを考え、期限が切れる去年の11月より、手続きしていません。
↑これは完全に誤った行動です。あなたはすべきことの逆をしています。結婚のように大きなイベントを控えているときこそ、欠かさず治療を続けなければなりません。治療を中断すれば統合失調症が再発・再燃するのは当然で、そこに大きなイベントが加われば、再発・再燃の勢いはさらに増すことになります。
一番怖いのは、私が話した言葉(フレーズ)を、後日私がその言葉を言った人と違う人が私に言ってくるときです。
統合失調症の典型的な症状です。
私が通ると、みんな鼻をすすったり、鼻に手を押し当てたりします。私はとても臭いのだと思います。
これも同様に、統合失調症の典型的な症状です。関係念慮と呼ばれるものです。
相手の男性が私の前だととても優しいのに、他の人の前だととても厳しくなります。私に言われている気がして困惑します。あんなに優しい人を怒らせてしまいました。
統合失調症の症状が、婚約者との関係の中に現れています。
私はこのまま結婚しても良いのでしょうか?
治療を再開してから結婚を進めてください。「このまま」の意味が、治療を再開しないままということを含んでいるのであれば、結婚は無理といえます。
この回答の冒頭、すなわち、
本当に私は結婚していいものかと悩んでいます。→ もちろん、ご結婚されることをお勧めします。
というお答えは、治療を継続することを前提としてのことです。治療を中断された状態では、ご結婚は決してお勧めできません。