精神科Q&A
【1771】夫が起こした離婚訴訟でとても苦しめられています(【1660】のその後)
Q: 【1660】夫に突然離婚すると言われました では非常に貴重なアドバイスをありがとうございました。精神科では本人を受診しないと診断してもらえないため、林先生のアドバイスはとても参考になりました。ありがとうございます。現在夫が起こした離婚訴訟でとても苦しめられています。私の弁護士は統合失調症について非常に偏見を持っており、専門のお医者様がこういう見解をされているということも弁護士に聞く耳を持ってもらえていない状態です。私は夫が統合失調症であっても必死に家庭を守ろうとしていたにもかかわらず、夫の主張する「妻が自分のことを精神病と言って触れ回った。」という全く事実のないことを私の弁護士は信用してしまっています。林先生、ご連絡先を教えていただけないでしょうか。私の弁護士に、林先生に書いていただいた文章を見せても弁護士は全く納得せず、林先生に署名捺印をいただかないと駄目という一点張りです。私は、なぜ、夫の両親や夫から離婚や別居を強要されないといけないのか、ということが理解できないということを弁護士に伝えたいだけなのですが、弁護士から「やはり病気ということにしたいんでしょう」と言われ、そうではないとお伝えするのですが、理解してもらえず、非常に困っています。この誤解を解くご協力を林先生にお願いできないでしょうか。無理をお願いして申し訳ございません。費用はお支払いしますので、どうかよろしくお願いいたします。ご連絡をお待ちしております。
林: あなたは二つの点で大きな思い違いをしていると思います。第一は弁護士に関して、第二はネットの情報に関してです。
第一の点、つまり弁護士に関してですが、
夫の主張する「妻が自分のことを精神病と言って触れ回った。」という全く事実のないことを私の弁護士は信用してしまっています。
とありますが、ここに書かれている「私の」弁護士というのは誤りで、これは相手方の弁護士であると読み取ることができます。相手方の弁護士とはつまり夫の弁護士という意味です。あなたは夫の弁護士がご自分の味方をしてくれると勘違いしているのではないでしょうか。法的な争いになっている以上、「夫の弁護士」は、あなたにとっては「敵の弁護士」です。まずこのことを事実として認識しなければなりません。夫の弁護士が夫の主張を擁護するのは当然で、敵であるあなたの主張を認めないのも当然です。したがって、
夫の主張する「妻が自分のことを精神病と言って触れ回った。」という全く事実のないことを私の弁護士は信用してしまっています。
というのは間違いで、それは「私の弁護士」ではなく「敵の弁護士」ですから、彼は「妻が自分のことを精神病と言って触れ回った」ことを本当に信用しているかどうかはともかく、「妻が自分のことを精神病と言って触れ回った」という夫の主張を擁護するのが彼の弁護士としての仕事です。
すなわち、あなた自身がこの「敵の弁護士」にあなたの言いぶんを主張しても受け入れられるはずがありません。
林先生に署名捺印をいただかないと駄目という一点張りです。
とのことですが、たとえそのような書類を提出しても、今度はその書類には信用性がないという返事がその弁護士から返ってくるのは火を見るより明らかです。法的な争いとはそういうものです。ですからあなたは、「敵の弁護士」と対等に争える真の「私の弁護士」に相談しなければ、この争いに勝ち目はありません。
第二の誤解はネットの情報に関してです。
すぐ上にお書きした「その書類には信用性がない」は、敵の弁護士としては当然の主張ですが、それが敵の弁護士であろうが誰であろうが、ネット上の医師の意見などには信用性がないと考えるのは当然です。
【1660】の回答をご評価いただいたことは嬉しいことですが、あの回答を受けてあなたの取るべき行動は、さらにネットの情報や医師に頼るのではなく、回答をもとに現実世界での具体的な方策を考え、行動することです。
以上の繰り返しになりますが、第一の誤解と第二の誤解は、最後の文章に如実に表れています:
私は、なぜ、夫の両親や夫から離婚や別居を強要されないといけないのか、ということが理解できないということを弁護士に伝えたいだけなのですが、弁護士から「やはり病気ということにしたいんでしょう」と言われ、そうではないとお伝えするのですが、理解してもらえず、非常に困っています。
理解してもらえないのでなく、彼が敵の弁護士である以上、理解しないのが彼の仕事です。
この誤解を解くご協力を林先生にお願いできないでしょうか。
できません。このサイトは事実をお伝えするだけです。質問者を助けることは目的としていません。それに、仮に私が協力しても、あなたには何の助けにもなりません。このような現実の争いの解決をネットに求めるのは間違っています。
無理をお願いして申し訳ございません。
無理ではなく無意味です。
今のあなたがとても大変な状況におかれていることはよく理解できます。
【1660】であなたは次のようにお書きになっています。
私は子供や家族を守ろうと必死で
それがあなたの本心であるなら(本心であることには一片の疑いもありません)、この状況を解決すべく、現実を直視したうえで努力しなければなりません。その現実とは、離婚訴訟になっている以上、これはあなたと夫の争いだということです。あなたがお子様と、それからご主人のためを真剣にお考えになるのなら、あなたは今この争いに勝つことを第一に考えなければなりません。あなたはまだこれが厳しい争いであることの認識が乏しいと思います。【1753】などもご参照ください。