精神科Q&A
【1759】何回も意識が飛ぶ
Q: 私は22歳の男子大学生です。
私が中学生のころからの症状なのですが、中学のある時に映画を見にいき、その時見た映画の内容がまったく頭に入ってこなくて、しかも自分が今何をしているのか意識が飛んでしまったことがありました。最初のうちはただ単に疲れているだけだろうと思い気にせず、日常生活を過ごしていました。
高校に入ってからも意識が飛んだりしたことが何度かありました。そして私が大学一年の時、一時的に意識が飛ぶだけでなく、教授が話している言葉が頭に入ってこなくなり、記憶力も低下しました。
これはさすがにおかしいなと自分でも感じるようになり、地元の病院に相談した後、ある大学病院でMRI検査を受けることになりました。結果は脳に異常なしとの診断を受けました。その時の主治医は「大学の講義は専門的な内容だから、頭に入ってこなくて当然だと思うよ。脳の病気というより精神的な問題じゃないかな。」と私に言いました。
私としては全く納得のいく診断ではありませんでした。小学校までの私はこういった意識が飛ぶという悩みはなかったのに、今の私はその時と比べても明らかに異常ということがわかっていたわけですから。
なにか煮え切らない思いを抱えつつもこの場は我慢することにしました。
それから三年がたち、今では意識がなくなることが日常的になり、今自分がどこにいるのかさえ把握できなくなりつつあります。最近では、先生が自分の名前を何度も呼んでいるのに、反応することができず、先生が自分の腕をつかんで、「〜君！〜君！大丈夫？」ということや、友達から「今、固まってたけど大丈夫か？」などと心配されるようにまでなってしまいました。
これから先、社会人として働かなければならないわけですが、意識が飛んでいましたでは済まされないと思うと将来が不安になり、毎日原因のわからない症状に怯え、生きていることがつらくなってきてさえいます。
この先何をして、どう解決していけばいいのか私だけでは正直限界です。恐縮ですが何かアドバイスをお願いいたします。
林: これはてんかんにほぼ間違いないと思います。このように一時的に意識が飛ぶのはかなり典型的なてんかん発作の一つです。これだけ典型的ですと、検査などしなくても症状だけから「てんかんにほぼ間違いない」と言い切ることができますが、確定診断のためには脳波検査が必須です。
地元の病院に相談した後、ある大学病院でMRI検査を受けることになりました。結果は脳に異常なしとの診断を受けました。
とのことですが、この症状を聞いて脳波検査をしないというのは信じ難い診療で、MRIに異常がないからといってなされたこの説明、
その時の主治医は「大学の講義は専門的な内容だから、頭に入ってこなくて当然だと思うよ。脳の病気というより精神的な問題じゃないかな。」と私に言いました。
これは医師としてあまりに無責任と言わざるを得ません。
現にその後も症状は続いており、これまで大事に至らなかったからいいようなものの、たとえば駅のホームなどでこの発作が出れば、命にかかわる事態になることも考えられます。
一日も早く信頼できる病院で診断・検査を受け、治療を開始してください。てんかんの薬によって、【1759】の質問者の症状はきれいに消えることが期待できます。