精神科Q&A
【1703】鬼そのものの実母は人格障害? ピック病?
Q: 実母(76歳)実父(79歳)夫(単身赴任中)高2の娘と私の家族構成です。結婚した妹が近くに住んでおります。 実母の四六時中の家族・夫の親族に対する悪口雑言、妄想による暴言、そして親族一同・私のアルバイト先にまで電話をかけ誹謗中傷、また他人の前で、罵声を上げ辱めを与えるという日々に、家族一同困っております。 夫の親族からは「人格障害」という病名?まで出てきております。アルバイト先では「一緒に住んでいるのは本当のお母さんではないのでしょう」と哀れんでくれる次第です。 私が母の異常を強く感じたのは、2年5ヶ月前、母との旅行中、夜中にホテルで突然「ここから飛び降りて、自殺してやろうか」と脅された時でした。 何とか無事帰宅したものの、それからしばらくして、私への生命の危険も伴うような攻撃に、当時は認知症かと随分心配いたしました。何とか治ってほしいと、奔走いたしましたが、すべて無駄であったことを、今は悟っております。 当時は、父と妹には有利なように狂っており、夫と夫の親族の勧めで、家を脱出、1年間避難いたしておりました。 本に掲載の相談センターに紹介していただいた地域包括支援センターから、保健所にも連絡してくれましたが、解決には至りませんでした。 そのうち、母が6年間かかりつけ医としていた外科医が突然廃業と聞き、痛み止めとして処方されていたステロイド(デキサメタゾン)の副作用だったかと私が好い方に解釈し、再び娘と一緒に同居するようになりました。 その当時も、体中が悪いと訴えており、多くの病院を受診いたしましたが、何の炎症反応もなく、体はどこも異常ありません。 2年5ヶ月前には、妹夫婦に連れて行ってもらった「こころのクリニック」では「ピック病」の疑いがあるので治療できないとのことでした。 今度は、本人が受診したいという事で再受診し、薬を処方していただき、少しの間平静でしたが、1年前からは、ずっと妄想による暴言と異常行動の毎日です。今も、そちらを含め、多くの病院に通院いたしておりますが・・。 医師への評価の上下が激しいのにも、周りは呆れております。今は、父も妹も、母の異常に困っております。 「私の主人(父)を盗るな」なんて叫ぶ始末! 冷静に振り返ってみますと、祖母(31年前他界)とも折り合い悪く、いつも突然母が爆発していたように記憶しております。親族・他人とも、しばしば問題を起こしておりました。 しかし、実母であるがゆえに、全面的に母を信頼してきており、何でも話せる母子関係でありました。今は、何も話せません。 少なくとも普通の認知症ではないようで、自分に都合の悪いことは忘れておりますが、過去のことは、自分が妄想したことまで覚えており、過去のことも自分の都合の好いように塗り替えております。 老父の健康まで害してしまいそうで、今は私が家を出ることは出来ません。受験を控えた娘にも気の毒なくらいの毎日です。
こんな鬼のような母と、家族はどのように接していけばいいものでしょうか?本当に四六時中、寝ていても、一人でいても、大声での独り言の暴言を吐いております。 家族というより、「殺される」なんて言われながら、母のための家事をしていかねばならない私が、もう限界です。 鬼への対処法について、アドバイスいただければ幸いに存じます。
林: まずお母様の今の状態がいつからのことなのかが重要な問題です。
私が母の異常を強く感じたのは、2年5ヶ月前、
とありますが、一方で、
冷静に振り返ってみますと、祖母(31年前他界)とも折り合い悪く、いつも突然母が爆発していたように記憶しております。
ともあります。
ということは、
・今の精神状態は病的
・ しかし、元々ある程度の問題があった
と読み取れますが、元々は単に「祖母と折り合いが悪い」というレベルだったのか、他の人との関係はどうだったのか。それによって、当時から病的だったのか、それとも2年半前からそれまでとは違う病的なレベルになったのかという異なった判断が考えられ、それに伴い診断名も変わってきます。
2年5ヶ月前には、妹夫婦に連れて行ってもらった「こころのクリニック」では「ピック病」の疑いがあるので治療できないとのことでした。
この記載も判然としません。なぜピック病の疑いがあるとされたのか、その根拠は何だったのか。そして、治療できないというのも不可解で、ピック病(前頭側頭型認知症)そのものを元の状態に戻すことは今の医学では不可能ですが、それに伴う行動障害については薬物等によって軽減させることはできます。
こんな鬼のような母と、家族はどのように接していけばいいものでしょうか?本当に四六時中、寝ていても、一人でいても、大声での独り言の暴言を吐いております。 家族というより、「殺される」なんて言われながら、母のための家事をしていかねばならない私が、もう限界です。
大変お困りだということはよくわかります。しかし、このメールからわかるのは大変お困りだということだけです。したがって、同情することはできても、アドバイスすることはできません。もう一度医療機関できちんとご相談ください。その際は、これまでの経過についての客観的な情報を正確に医師に伝えることが重要です。