精神科Q&A
【1651】あまりに非常識・身勝手な同僚
Q: 今大変困っている職場の同僚の事について相談します。
私は30代後半の女性、同僚は40代初めの女性です。
職場は公立保育園の給食調理で、他にはパートの女性(50代と60代)が2名おり、全部で4名で仕事をしています。同僚と私は正規職員です。
私が今の職場に配属されたのは2年ちょっと前なのですが、その時から同僚の仕事の進め方には問題が有りました。
給食ですので、毎日決まった時刻に盛り付けた食事を出さなければなりません。特に0歳児クラスの赤ちゃん達は、10分遅れただけで食事の最後まで持たなくて眠ったりしてしまう子もいます。
しかし同僚は兎に角、調理の基本に忠実過ぎてそちらを重大視し過ぎてしまい、本来提供すべき時間に常に間に合わないのです。その事に対して、古株のパートや私やクラス担任、園長までが指摘し、その当時は何とか本人や周りの努力で、味は美味しくないですが間に合うようになりました。
しかし、だんだんと同僚の様子がおかしくなってきたのです。
朝、私に挨拶をしないことが多くなり、朝のテンションと言うか、気分の差が出て来るようになったのです。朝の同僚の表情は「むっつり」不機嫌と言ったところでしょうか。ですが、お昼を出し、おやつを作り始める頃から、今度はかなり陽気になって来るのです。昔は朝からそういう雰囲気の人だったのです。しかし次に夕方近くになって来ると、自分で言った事に対して自分で突っ込みを入れて、大笑いするというハイテンションへと移行する事が多いのです。朝の同僚と比べると別人のようで、去年あたりからは調子を合わせる私も少々戸惑っていました。
その後、吐き気や頭痛、顔面がピクピク痙攣したり、何も無い所でつまずいたり、首が痛くなったり腕が痺れて洗い物のお皿を落として割ったりといった症状が同僚に出て来ました。その様な状態では、仕事もまた遅れがちになって行きました。
様々な検査の結果、それらの症状の元となった疾患名は「頸肩腕症」との事でした。頸の骨が少しだけ潰れ気味で(潰れの程度としては軽度なものだそうです)、それで神経が圧迫されて様々な症状が出ていたのだそうです。
同僚は現在週一回の整形外科への通院をし、頸の牽引、処方された薬を飲むなどの治療を受け、腕の痺れや頸の痛みはかなり改善されて来ているようです。しかし、元々スポーツやアウトドアが好きな同僚は今年の初め春スキーへ行き、何にも無い所を歩いていてひどく転んでしまい、足の肉離れをし自宅療養の為2週間休職しました。しかし、現在に到っても同僚の膝痛は治りません。
冷蔵庫に食材を入れる等しゃがむ度に「イテテテテテテテテ!」と言います。私達の仕事は昼休み以外立ち続けの肉体労働です。毎回膝を曲げる度に言われると他のメンバー全員不快になります。同僚は今離乳食を担当していますが、毎回当然のように提供が遅れています。担任は同僚に気を遣って、本来取りに来るべき時間よりかなり遅らせて食事を取りに来ますが、代理で産明け児担当のナースが取りに来る時は、定時に取りに来ても何も棚に置いていない状況にナースは怒ります。しかし同僚は「早く取りに来るナースが悪い」と憤然とするのです。今の同僚にとってナースは「ストレスの元」なのだそうです。
同僚の性格は元々かなりの頑固者でありながら甘えん坊だと私は思っています。私よりかなり幼いと感じる事が度々有ります。
彼女が作る不味い離乳食を何とか美味しく仕上げて欲しいと、いくら周りの人間や園長が指摘しても素材の旨みを全部流してしまう様な作り方を変える事は有りません。「私は頑固者だからね」で片付けてしまいます。今までやっていた事を周囲からダメ出しされても、改善しようと思わないというのは、社会人として向上心が無さ過ぎだと思うのです。
ただ私としては、変えられるのに変えようとしないのか、変えたくても出来ないのか、の見極めに今困っています。
現在同僚の明らかになっている症状は、上記の他に
夜1時間おきに目が覚め熟睡感が無い
朝4時半前には必ず目覚め、その先はどんなに頑張っても眠れない
摂食障害(独身の頃は死にかける程の拒食症、現在は過食で胃がひどく痛んで吐くまで食べてしまう)
限界量の痛み止めを飲んでも治まらない原因不明の胃痛と下痢
3歩歩くと自分のしようとしていた簡単な事(はさみを取りに行くとか、冷蔵庫に入っている味噌を取りに行くとか)をきれいに忘れる
忘れてしまった事はなかなか思い出せず、その間何も作業が手に付かなくなりうろうろしている
私と他のパートが和やかに作業をしていると、突然感じ悪く大声で何かを指示する
「私が居ないと迷惑をかけるから(体調が悪いのを)無理して出勤しているのに!」と言うが、実際は何の労働力にもなっていないどころか、迷惑となっている状況が多い
膝以外にも良好になって来ている筈の頸や肩、頭、胃、腕、すべてが毎日痛むらしく、10〜20分おきに「痛い!」「痛たたたた!」と口にし続ける
作業中、何も無い空間を見つめ、口を開け呆然としている事が時々有る→当然、その間作業が完全にストップするのと気持ち悪さで、見逃せず何度も名前を呼んで、同僚に気付かせる(完全に意識がとんでいるようです)
時間の経過や作業手順について無視した指示をアルバイトに出す(例えばお米を炊き始めた最中に「お米、1カップ余計に炊いておいて」と無茶を言う)
とうとう耐えかねたアルバイトが1人今月で辞める事となりました。
辞める理由としては「職員なのにろくに働かない」同僚への不満が半分有ったそうです。
私も引き止めるのは最初から諦めていました。私もかなり限界に来ているからです。
私としては今まで何度も病休を取る事や、休んで(頸肩腕症の)治療に専念するように勧めました。が、その度に朝の挨拶と同じ様に無視され続けています。全く聴かなかったかのような言動をされてしまいます。
このような状況で、私は同僚に対してどの様な行動を取ればいいのでしょうか。
同僚は頸肩腕症でこのような症状を呈しているのでしょうか。この病はうつ病を併発するケースも多いと聞きます。同僚はうつ病なのでしょうか。
園長は、同僚の具体的な上記の状態については知りません。夕方のミーティングや夜間の会議では同僚はごく普通そうに振舞っているからです。
私の取るべき行動をお教え下さい。同僚の仕事をカバーし続け、気を遣い続ける生活に疲れ、私が病気休暇を取ろうかと考え始めました。
何卒宜しくお願い申し上げます。
林: さまざまな病気が考えられます。しかし、
同僚はうつ病なのでしょうか。
うつ病でないことだけはまず確実です。そもそも質問者がなぜこのケースをうつ病ではないかと思ったのかわかりません。心の病といえばうつ病がよく知られているので、うつ病が頭に浮かんだだけではないでしょうか。最近はこのような誤解はよくあり、うつ病に多少なりとも似ているものならともかく、似ても似つかないものまでがうつ病ではないかと疑われている現状があります。
それはともかくとして、このケースの診断ですが、
パーソナリティ障害(人格障害)
発達障害
統合失調症
知的障害
などが考えられます。また、
作業中、何も無い空間を見つめ、口を開け呆然としている事が時々有る→当然、その間作業が完全にストップするのと気持ち悪さで、見逃せず何度も名前を呼んで、同僚に気付かせる(完全に意識がとんでいるようです)
この症状は、てんかんの発作の可能性もかなりありますので、上記のどれかとてんかんの合併かもしれません。(だとすれば、発達障害ないしは知的障害とてんかんの合併が考えられます)
診断が何であるにせよ、いま職場で大変な問題であることはまぎれもない事実ですから、
園長は、同僚の具体的な上記の状態については知りません。
それでは職場がうまくいくはずがありません。
私の取るべき行動をお教え下さい。
まず管理者に動いてもらい、何とかしてもらう以外にないでしょう。したがって、まずは管理者である園長に、状況を正確にお伝えすることです。