精神科Q&A

【1598】うつから回復したらとても活動的になった妻は躁うつ病でしょうか


Q: 40歳の妻はX年2月に大うつ病と診断され、一回の転院を経て最終的にパキシル、トフラニールで同年7月下旬に霧が晴れたように急に回復しました。その後半年かけて減薬しX+1年から投薬なしで通常通りの生活をしていましたが、同年10月海外旅行をきっかけに再びうつ状態となりました。その後3ヶ月ほどパキシル、アモキサンを中心に何種類かの抗うつ薬を投与され続けましたが、抗コリン作用が強く出るばかりでつらい死にたい状態は変わらずX+2年を迎えました。うつ状態にもかかわらず家の中の不用品をやたら捨てに走ったり売りに行ったり、動きたくないといいながらジムに行ったり前回とは異なる状態もみられます。後から思えば回復があまりに急だったこと、回復してから以前よりかなり社交的になったことなどから双極性障害(躁うつ病)ではないかと考え始め主治医にその旨相談しましたが、なんら投薬が変わることなかったため今年1月再び転院して現在パキシル,ジプレキサ、デパケンで治療を受けていますが少なくともこの2ヶ月で改善傾向は見られず、前回発症時よりも活動性は落ち過食に走るようになりました。
質問は
・現状で双極性障害である可能性は高いでしょうか?
・上記の経過はうつ病、双極性障害いずれにせよ難治性なのでしょうか、それとも平均的なのでしょうか(悲観せず主治医に任せて待てばいいのでしょうか)?
・まだ使っていない薬(SNRI,四環系、テグレトール、セロクエル、ラモトリギン、リチウムなど)を試すよりECTが近道になるでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします。


林: 
・現状で双極性障害である可能性は高いでしょうか?

可能性は考えるべきでしょう。可能性が高いかどうかはよくわかりません。なぜなら、躁状態に関連する症状の記述が、以下の点のみだからです。

家の中の不用品をやたら捨てに走ったり売りに行ったり、動きたくないといいながらジムに行ったり
回復があまりに急だった
以前よりかなり社交的になった


これらは確かに躁状態を考慮すべき症状ですが、残念ながら記述に具体性が乏しいので判断できません。

・上記の経過はうつ病、双極性障害いずれにせよ難治性なのでしょうか、それとも平均的なのでしょうか(悲観せず主治医に任せて待てばいいのでしょうか)?

わかりません。薬の量の記載がないからです。
「難治性」というのは、十分な量の薬を十分な期間飲み続けているのにもかかわらず、回復しない場合のことを指します。単に症状が長く続いているという情報だけでは、薬の治療が不十分だったのかもしれませんので、難治性かどうか判断できません。

・ まだ使っていない薬(SNRI,四環系、テグレトール、セロクエル、ラモトリギン、リチウムなど)を試すよりECT(電気けいれん療法)が近道になるでしょうか?

わかりません。理由は上と同じで、これまでの薬物療法が適切なものだったかどうか判断できないからです。


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