精神科Q&A

【1552】悪口が嫌で高校に行けない自分は、先生や両親が言うように勇気が足りないのでしょうか


Q:  僕は高校に入学し、少し経ってからクラスの人たちに陰で悪口を言われているような気がしていました。
 中学の頃から、そういうことは時たま言われていたのでなるべく気にしないようにしていたのですが、しだいに気になるようになっていき、少し前に、クラスの中の5〜6人がはっきりと自分の悪口を言っているのを聞いてしまいました。みんなでまとまって、少し離れたところからクスクスと笑いながら、自分の悪口を言って、こっちを見てました。そして、それ以来学校に行かず、ひきこもっています。
 休みだしてからは、たいていは平和に過ごせていますが、たまに悪口の言葉や過去のいやな出来事などがよみがえってきて眠れなくなったりするときがあります。

担任の先生や両親は
「将来のためには我慢して行ったほうがいい」
「勇気を出して行ってごらん」
「もっと強い心を身につけなくちゃ」
などと言っています。

自分でも、将来のためにも高校は行っておいたほうがいいと分かってはいるものの、また学校でみんなに悪口を言われたりすると思うとなかなか一歩が踏み出せません。
 勇気を出して行ってみた時もありましたが、何かクスクス言って、こっちを見てるような気がしてすぐにまた休んでしまいました。
 こういうことはやっぱり、担任の先生や両親が言うように、自分に勇気がないからなのでしょうか?
 自分の心が弱いからなのでしょうか?
 それとも、何かの病気なのでしょうか?
 ぜひ、先生のご意見をお聞かせください。 お願いします。


林: 
少し前に、クラスの中の5〜6人がはっきりと自分の悪口を言っているのを聞いてしまいました。みんなでまとまって、少し離れたところからクスクスと笑いながら、自分の悪口を言って、こっちを見てました。

これは、統合失調症の典型的な発症時の症状に一致するものです。そしてこれに対し、

そして、それ以来学校に行かず、ひきこもっています。

このようにひきこもりになることも、統合失調症の発症時に典型的なパターンです。(統合失調症 患者・家族を支えた実例集 のケース1などをご参照ください)
 その後は、そのままひきこもりが続くこともあれば、周囲に強く促されるなどして、大変な努力によってまた登校し、

勇気を出して行ってみた時もありましたが、何かクスクス言って、こっちを見てるような気がしてすぐにまた休んでしまいました。

このように、結局はまたひきこもりになるのもまた、典型的な経過です。

こういうことはやっぱり、担任の先生や両親が言うように、自分に勇気がないからなのでしょうか?

違います。担任の先生もご両親も、統合失調症についてご存知ないか、あなたの体験している症状が伝わっていないかのどちらかです。

自分の心が弱いからなのでしょうか?

違います。

それとも、何かの病気なのでしょうか?

統合失調症だと思います。一日も早く精神科を受診してください。



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