精神科Q&A
統合失調症と「頭の中のさわがしさ」
●● 「奇妙な静けさとざわめき」 中井久夫
分裂病の精神病理8 中井久夫 編 東京大学出版会 1979年 p.261 –p.297
統合失調症の初期の「頭の中のさわがしさ」をめぐって、「観念の自由基のひしめき合うざわめき」という独特の用語を使った説明がなされています。具体的な症状の生き生きした記載とともに、透徹した論理が見事な文章で表現されています。
● 一級症状(Schneider, K.)の幻聴に関する1考察 濱田秀伯
精神医学 40巻4号 1998年 p.381-p.387
言語幻聴の初期段階は考想化声であり、それは自生思考が自問自答を繰り返すうちに感覚性を帯びたものであるとする学説を呈示した論文です。