精神科Q&A

【1528】泡を吹いて倒れ気を失うパニック障害の夫


Q:  私の夫(25歳)の事で不安な事があり、質問をさせていただきます。 夫はパニック障害と診断されているのですが、発作を起こした時に前触れもなく泡を吹いて倒れます。全身も痙攣を起こし、症状は数分で治まる事がほとんどで、発作を起こした時の記憶はありません。前回、発作を起こしてから1年近く発作は起こしていません。気を失い、倒れるといった症状は中学生の頃からあったようで、20歳の時に静岡にあるてんかん専門の病院で脳波の検査をしました。結果はまったく異常なし。パニック障害で気を失う事なんてあるのでしょうか?倒れ方がてんかんの症状に似ているので脳波に異常がないとはいえ、とても心配です。よろしくお願いします。


林: これはてんかんだと思います。このケースの発作は、パニック障害とは思えません。この発作を知ったうえでパニック障害と診断しているのであれば、その医師の信用性を疑わざるを得ません。
 問題は、質問者も書いておられるとおり、脳波に異常がないということです。しかし、一回の脳波検査で異常がなかったからといって、てんかんでないとはいえません。再検すれば異常がみつかるかもしれません。もっとも、このケースでは発作の頻度が不明です。ここ一年は発作がないとのことですが、それは発作が一年に一回程度しかないということか、それとも最近は発作が減ったということか、あるいは逆に以前はさらに発作の頻度が少なかったということか。それにより、脳波で異常が見つかる確率は変わってきます。しかしいずれにせよ、これはパニック障害ではなくてんかんとみるべきです。信頼できる施設で脳波検査を受けるとともに、診療を継続することをお勧めします。(以前受診された静岡のてんかん専門病院は、おそらくてんかんセンターを指していると思われ、ここはてんかんに関しては我が国では最高の施設といっていいと思います。メールには「脳波の検査をしました。結果はったく異常なし」と書かれていますが、そのときに「異常なし。だからてんかんではない」と診断されたのでしょうか? 「異常なし。しかしてんかんは否定できない」という診断ではなかったのでしょうか? これについても確かめる必要があると思います)


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