精神科Q&A

【1507】飲まないと酒のことしか考えられなくなります。医師からはアルコール依存症の心配はないと言われたのですが・・・。


Q: 22歳の男です。飲酒歴は四年程です。19歳の時に進学のため上京し一人暮らしを始めて以来毎日のように飲酒するようになりました。専門学校は二日酔いで休み続けた結果二年生の時留年が決まり、中退しました。高校生の頃からたまにビールやワインを飲むことはありましたが、本格的に飲むようになったのは上京後です。専門学校時代はほぼ毎晩清酒なら一升位を飲んでいました。精神科で処方して頂いた睡眠導入剤も一緒に飲んでいました。 精神科には、対人恐怖症で学校内での対人緊張・不安が強く、また夜も全く寝付けないため通院を始めましたが、その際処方された睡眠導入剤をお酒と併用するととても気持ちがよくなって瑣末な悩みなど何もかもどうでもよくなることに気づき味をしめ、以来中退した今も通院を続けています。 しかしここ一年くらいは毎晩、酒や睡眠導入剤を飲んでも陽気にならないどころか飲めば飲む程鬱々とした気分になって、自暴自棄になり最後には死にたくなります。それなのに二日酔いが治るとまた酒に手を出してしまいます。 一年近く前に精神科で受けた血液検査ではγーGTPが50、GOT、GPTが共に20で問題ないとのことです。検査前日は禁酒しましたがそれまでは毎日大量飲酒しているのでそれを話した上で「近い将来依存症になる恐れはありませんか?」と医師に尋ねましたが「問題ありません」ときっぱり先生はおっしゃいました。しかし一日酒を抜くと翌日は朝から飲みたくて仕方がなくなり酒のことしか考えられなくなり、精神依存が形成されているのではないかと不安になります。 また、先日帰省していた際ですが泥酔して幻覚を見ました。深夜、酒が切れたので泥酔状態で(この時は睡眠導入剤は併用しておりません)コンビニに酒を買いに行った帰りに、うろ覚えなのですが、何かが追いかけてきて死に物狂いでひたすら走って実家まで逃げ帰りました。帰宅した私を見た両親によると、私は「殺される・・・殺される・・・」とガタガタ震えていたそうです。余程慌てていたのか靴も片方が無くなっていました。翌朝酷い二日酔いで目が覚めましたが、ぼんやりと恐ろしい何かに追いかけられた記憶以外何も覚えていませんでした。 大変読みにくい稚拙な文章で申し訳ございません。私はすでにアルコール依存症なのでしょうか?


林: あなたはアルコール依存症です。アルコールを完全にやめる以外、回復の方法はありません。このまま飲み続ければ、未来にあるのは破滅だけです。

一年近く前に精神科で受けた血液検査ではγーGTPが50、GOT、GPTが共に20で問題ないとのことです。

血液検査結果と、アルコール依存症である・ない は、関係ありません。

「近い将来依存症になる恐れはありませんか?」と医師に尋ねましたが「問題ありません」ときっぱり先生はおっしゃいました。

この医師のアルコールに対する見方はきわめて甘いと言わざるを得ません。少なくともアルコールに関しては、間違いなくヤブ医者であると言っていいでしょう。
(彼がきっぱり否定したのは、文字通り「近い将来依存症になる恐れ」であって、真意は「もう依存症だから、”恐れ”ではない」だったということも考えられなくはないですが、いくらなんでもそれはないでしょう)

説明が前後しましたが、あなたがアルコール依存症であるという根拠は、すでにアルコール中心の生活になっていること、アルコールなしでは我慢できなくなっていること、さらには離脱症状(幻覚)が出ていることです。あなたは完全なアルコール依存症です。薬物依存(睡眠薬)の傾向も認められます。繰り返します。アルコールを完全にやめる以外、回復の方法はありません。破滅はすでに目の前に来ています。

 


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