精神科Q&A
【1406】何回もアルコールをやめようとしたがやめられなかった
Q: 私は35歳の主婦(夫と娘1人)です。
以前から林先生のサイトを拝見させていただいていました。
というのは、以前から飲酒に関して自分はアルコール依存症ではないかという気持ちがとても大きかったからです。
詳しい飲酒暦は、22歳ころからです。それ以前は飲んでもあまり進まずどちらかというと飲めないほうでした。
ですが、22歳の頃からカクテルなどの口当たりの良いお酒を覚え、部屋で1人で飲み気分の高揚感などを覚えるうちにすっかりたくさんのお酒を飲めるようになっていきました。
はじめは仕事帰りに飲みに行く機会が多く、チューハイを4〜5杯、それ以上飲むときもあり、自宅に帰ってからも必ずまた飲みなおすという日が週に2〜3度はありました。
24歳の頃には仕事を辞めたこともあり、カクテルドリンクにはまってしまい、毎日夕方に250ml(7%)の缶を8本(計2ℓ)買ってきて飲むことが日課という日々を過ごしていました。その1年間は飲まない日が週に1〜2日と、かなりアルコール漬けの毎日でした。
25歳の時に結婚をし、結婚後はすぐに子供を授かったこともあり一時飲まない毎日を送ることが出来ましたが、娘が生後6ヶ月くらいの頃から、娘が寝た後の夜遅くからまた少しずつ飲み始め、量もまた元のように戻ってしまい、飲酒の時間が唯一自分のストレス発散だと思うようになりました。
そして、現在35歳ですが、ここ1年ほどは前に比べ回復に時間がかかるようにもなり、前ほど飲めなくなったものの、1ℓ〜多い時は2ℓの缶チューハイを飲んでいます。
だいたい週に2〜3日ほどになります。
飲み方としては、夕食時に夕食と一緒に飲み、350ml缶を1本まででしたら、そこでやめられることも出来るのですが、2本以上飲んでしまうと納得がいくまで飲まないと気がすまなくなり、自分をコントロールできなくなってしまいます。
ここ何年かは、飲酒により問題を起こすこともなくなりましたが、それ以前はなり飲酒によって人間関係に影響を及ぼしてきました。
気になることは、@最近、健康診断で肝臓の数値が正常値よりやや高めになっており、飲んだ後2日間くらいは体のだるさを感じてしまいます。
Aですので、禁酒を2度ほど取り組みましたが、もっても1週間でした。
スーパーに買い物に行くと、やめるといくら固い意志で決断していても、悪魔と天使が頭の中で戦いをはじめて、迷いが生じどうしようもない気分になっていつも意思がもたなくて買ってしまい飲んでしまいます。
美味しいあてを食べながら飲めるときは本当に幸せな気分ですが、また思う存分飲んでしまった後の後悔や罪悪感は自分自身の自信喪失にもなり、絶望感で一杯になってしまいます。
どうすればお酒をやめられるのでしょうか?
最近、父(67歳)が大腸ガンで手術をしました。ステージ3で転移こそなかったものの、またいつ再発するかという恐怖があります。
こちらのサイトの中で、「食道や大腸のガンのおもな原因はアルコールです」と書かれているのを見て、今後の自分の健康のために、本当は心からお酒をやめたいと願っています。
ですが2度も禁酒に失敗をしてしまい、またやめられないのではないかと不安な気持ちが先に来てしまいます。
でもそういう言い訳をして、飲んでしまう自分を正当化しているのかもしれません。
明日からやめようといいながら、いつも飲んでしまっている自分です。
Bこの際、思い切ってメンタルクリニックに助けを求めた方が良いのでしょうか?
林先生、どうかよろしくお願い申し上げます。
林: あなたはアルコール依存症です。アルコール依存症の症状の中核はコントロール喪失飲酒で、いったん飲みだすと「納得がいくまで飲まないと気がすまない」こと、何回もやめようとしてやめられないこと、さらには、肝障害や癌のリスクがあることを十分認識しているのにやはりやめられないことなどから、あなたが飲酒に関してコントロールを失っていることは明らかです。アルコールをやめる以外、回復の方法はありません。
どうすればお酒をやめられるのでしょうか?
あなたの場合は、精神科を受診する以外にないと思います。受診を躊躇し断酒が遅れれば、それに比例してあなたの寿命は短くなっていきます。