精神科Q&A
【1389】70歳の父が夢を見て暴れる
Q:
父(70歳)の事なのですが、数年前から夜中に何度も夢を見て、その夢の内容が大体子供のころにいじめられた夢らしく(他の内容の時もありますが)
大きな声で叫んだり、手足をバタバタさせたりパンチしたり、よくベッドからも落ちたりします。
時にはどうやってここまできたかわからないところまで、駆け出してきて、そのたびにいろんなところで打ったりして怪我をしています。
ほんとに激しいですし、隣に寝るのはとても危険な状態です。ほぼ毎日なので、どうすればいいかわかりません。年々ひどくなっているので本人も気にしているようです。
昼間は普通ですし、そのほかの症状はあまり気になりません。
病院に行くべきかどうかもわからないので、どうしたら良いのでしょうか?
林: これはレム睡眠行動障害です。【1057】もご参照ください。レム睡眠行動障害とは、簡単にいえば、「夢の中の行動を実演してしまうもの」です。その行動がそれほど激しくない場合は、特に治療の必要はありませんが、この【1389】では大怪我をする危険性もありそうですので、病院を受診するべきでしょう。少量の睡眠薬で治療できることが多いのですが、逆にそれで一時的に悪化することもあり得ますので、特に飲み始めは注意が必要です。また、レム睡眠行動障害は、パーキンソン病の初発症状(より正確にいえば、パーキンソン病に先行して出てくる症状)であることもありますので、今後パーキンソン病の症状が出てこないか、さらには今すでにパーキンソン病の症状がないかについても十分な注意が必要です。いずれにせよ、病院を受診するべきです。精神科でも神経内科でも構いませんが、どちらかといえば神経内科が勧められます。