精神科Q&A
【1209】うつ病で症状がかわっても薬がかわらない
Q:
私は59歳の女性です。
昨年から、自分でも解るほど、全てのことに興味が失せて、食事の支度も買い物も苦痛に感じていました。それでも頑張って日常生活していたのですが、約半年前、突然、胃が詰まって食べ物が喉を通らなくなりました。そして、睡眠薬を飲んでも夜中に目が覚めたり、トイレに何度も行ったり早朝に目覚めたりの症状が出ました。
さらには何とも言えぬ身体のだるさ。外出もできなくなり受診しました。
医師と話していると、突然涙が止まらなくなりました。今まで頑張っていた気持ちが、心の中で(助けてください)という涙だったと思います。
すぐに、うつ病と診断されて、朝・・セパゾン、夕・・セパゾン、 ドグマチール、パキシル10ミリ。寝る前・・・レスリン マイスリー
が処方されました。
快方に向っていたり、途中でぶり返したりとありましたが、どうにか、パキシルを減薬できて、現在はパキシルを飲んでいません。
現在は、夕方・・セパゾン。寝る前・・レスリン
を約ひと月続けています。しかし、体調はどうも日によって良かったり悪かったりで、まだ治ったとは思っていません。
しかし、私が気になるのは、薬の処方が全く変わらないことです。
体調も初めの頃とはだいぶん違ってきていますし、頭痛や吐き気、どうしょうない落ち込み感、など伝えて、そういう時の頓服とか、うつになる以前から不眠症でしたので、デパスなど使用していたので、そういう薬へ変更できないものかと訴えても、先生は「余り良くない」とおっしゃって、処方の薬は替えたくないようです。
私が少し疑問に思うのは、私が心身の変調を訴えても、どうして今の薬を続けていくのがいいかという納得の言葉がないことです。
病気は快方へと向ってるのに、薬は七ヶ月、パキシルが無くなっただけで、同じ処方です。
頭痛や吐き気、落ち込みも、心理的なものなのか、医師との疎通のないことがこのまま治療を続けていくことへの不安です。
林: 一般に、処方の内容の本当の意味を患者さんに納得のいくよう説明するのは難しいことです。理想論だけをいえば、治療はそれを受ける人が納得したものを、ということになりますが、正確に説明するためには専門的な内容にならざるを得ず、わかりやすさだけを重視すれば、その説明は正確ではなくなってしまいます。ですから「わかりやすい説明」というのは、何パーセントかは嘘が含まれていると考えるべきです。
この【1209】で、なぜ同じ処方が続いているのか、確かに不可解です。しかしそれは、質問者の理解が不十分で、状況がメールに十分書かれていないためかもしれません。ひとつだけ言えることがあるとすれば、うつ病がまだ治っていないと判断すべきだということです。だとすれば、パキシルの処方が無くなっている現状では、回復はあまり期待できないということになります。質問者は薬の変更を希望しておられるようですが、この経過からまず考えるのは、パキシルを再開することです。なぜそれがなされないのか、私には理解できません。もう一度主治医とよく相談することをお勧めします。しかしもし
医師との疎通のない
というのが、文字通りの現状なのであれば、むしろ他の病院にかかるべきだと言えるでしょう。