精神科Q&A
【1166】コンプレックスを持っている容姿のことをひそひそと言われる
Q:
現在精神科に通っている30代の女性です。
現在は無職で自宅に引きこもっています。
一週間に数回は外出はできるのですが、緊張と不安で顔がひきつり、少し人が多いところへ 行くと逃げだしたくなります。
人を避けながら歩いてしまいます。
死にたいと思う時もあります。
私は右目がすこし内側に寄っているのですが 緊張するともっと目が内側に寄るような気がします。
主治医には、対人恐怖症と不安神経症と診断され レキソタン2ミリグラムを朝夕食後に服用中です。
私は小さいときから容姿にコンプレックスがあり、 他人からも容姿を馬鹿にされていじめにあいました。
今も外に出ると聞こえてくるのです。
他の人が私の事でひそひそ声で話しているのが・・。
「超ブス」とか「最悪」とか「足が短いね」「うっとしい」 「暗い」「頭がでかい」
などです。
これが幻聴なのか、本当に言われているのかわからないのです。
歩いているときに後ろから聞こえてきたり、すれ違いざまに聞こえるので、幻聴ではなくて実際に言われているのだと思うのですが、たまに買い物でレジの前に立ったときも聴こえる時があって(店員の方から声が聞こえる) これは幻聴なのかな?と思ってしまうのです。
私の伯母に会った時も会話の合間に「嘘つき」と小さな 声で聴こえてくる時があって、気分が沈みます。
そうすると神経症ではなく統合失調症なのかなと思えてくるのですが・・・。
林: あなたは統合失調症だと思います。一日も早く治療を受けてください。
ご自分の持っておられるコンプレックスや、人には秘密にしておきたいことを、他人が陰で話しているのが聞こえるというのは、統合失調症に典型的な幻聴です。
歩いているときに後ろから聞こえてきたり、すれ違いざまに聞こえるので、幻聴ではなくて実際に言われているのだと思うのですが、
このような聞こえ方も、統合失調症の幻聴として典型的です。統合失調症 患者・家族を支えた実例集 の25ページにも記した通りです。
対人恐怖症の診察室に「似て非なる例」としてご説明してある通り、統合失調症のある段階は、対人恐怖症に間違えられることも時にあります。しかし、この【1167】のような症状を医師が診れば、対人恐怖症でないことは火を見るより明らかです。ですから、
主治医には、対人恐怖症と不安神経症と診断され
これは信じ難い誤診です。
レキソタン2ミリグラムを朝夕食後に服用中です。
この治療では治る見込みはありません。
このような誤診に基づいて治療が行われている理由としては、ひとつはこのメールに書かれているような症状をあなたが主治医に伝えていないことが考えられます。もしそうであれば、次の診察時に必ずお伝えしてください。
もし、すでにお伝えしてあるのにもかかわらず、対人恐怖症と診断されこのような投薬が行われているのであれば、この医師の治療を受け続けても悪化するだけで何も期待できません。別の医師の診察・治療を受けてください。