精神科Q&A
【1133】覚醒剤中毒後遺症の治療法(【0446】のその後)
Q: 【0446】の質問から４年経ち、一時期は頭にもやが張る感じも薄れていたのですが、この２年くらいはまた逆戻りしてしまいました。現在27歳です。
林先生の回答に「心療内科の先生に覚醒剤を使用していたことを話してないのではないか？」と記されていましたが、最初に受診したときに全てお話いたしました。
ですので、リタリンを処方され１度飲んでみて、覚醒剤と似た症状が出たため服用を中止したいと申し出ましたが飲むように言われたので勝手に服用を止めてしまいました。
その後、結局病院に通っても薬を処方されるだけで、本当の自分の気持ちとかを中々口に出せずこのまま通っても治らないと自分で判断して止めてしまいました。
それから現在まで他の精神科などにも通っていません。
しばらく症状も見て見ぬふりでやり過ごしてきたのですが、最近長女が幼稚園に通い出したこともあり人と接する機会が増え、治したいと切実に思うようになりました。普通にしゃべっているようでも内心、自分がおかしいと思われそうで怖くて仕方ないのです。
最近、離人症という病気を知り、自分の症状がとても似ていることに気がつきました。
多分、自分は離人症ではなく覚醒剤使用からくるものだとは思うのですが、やはり病院に行く以外治る方法は無いのでしょうか？
それとも病院に行ったとしても、一生薬を飲み続けることになるのでしょうか？
自分の犯した事に対する罰だとは承知していますが、この数年、当時のことを後悔するばっかりです。
それでもきっと命を落とさず、警察や施設のお世話になることなく、無事に五体満足な子供を産むことが出来ただけでも自分はついているんでしょうね。
林: 現在のあなたの症状は、やはり覚醒剤の後遺症だと思います。
「頭にもやが張る感じ」
「離人症」
とあなたは表現しておられます。「離人症」は、きわめて典型的な場合を除くと、診断はなかなか難しく、はたしてあなたの主観的体験が離人症といえるかどうか、このメールだけからは判断できません。
しかし、【0446】と今回の【1132】をあわせてみると、この症状を何と呼ぶかはともかく (【0446】にお書きしたように、「神経症残遺型」という語がもっとも適切かもしれません)、覚醒剤の後遺症である可能性が最も高いと思います。
そしてこの症状の治療について、私の知る限りでは、定説はありません。
しかし、抗不安薬、あるいは抗精神病薬がある程度までは有効と思われますので、結論としては、
やはり病院に行く以外治る方法は無いのでしょうか？
ということになるかと思います。
なお、
林先生の回答に「心療内科の先生に覚醒剤を使用していたことを話してないのではないか？」と記されていましたが、最初に受診したときに全てお話いたしました。
ですので、リタリンを処方され１度飲んでみて、覚醒剤と似た症状が出たため服用を中止したいと申し出ましたが飲むように言われたので勝手に服用を止めてしまいました。
とのこと、覚醒剤の既往がある人にリタリンを処方するのは、特別な理由がない限り、非常識と言わざるを得ません。しかも、現にリタリンで覚醒剤と似た症状が出て、あなた自身が中止を申し出たのにもかかわらず処方を続けるというのは、医師のやることとは思えません。この医師には今後一切かからないほうがいいです。