精神科Q&A
【1121】「躁転」は一ヶ月でおさまりました(【1050】のその後)
Q: 55歳の主人について、【1050】SSRIによる躁転についてで回答をいただいた49歳の妻です。御回答ありがとうございました。
その後の様子をお知らせ致します。
その後、相談申し上げた「躁転」は約1ヶ月で治まりました。
うつの症状としては、睡眠障害だけになりました。
それも、もともと寝付きはよく、途中覚醒が本人にはつらいものだったので
処方は レンドルミン 5mg 2錠 だけです。
この睡眠剤だけで1ヶ月過ごしましたが、「胃が重い」という症状が現れたので
ドグマチール 100mg2錠 が復活しております。
初診後今4ヶ月たとうとしております。今は性格も以前の穏やかな状態に戻りました。
消えた症状・・・不必要な買い物、他人への攻撃、自己万能感、多弁です。
改めて現在の処方は
ドグマチール 200mg
レンドルミン 10mg です。
躁状態になったとき、初めは「躁」と分からなかった頃、主人は今まで心に溜めていて言わずにいた事を一挙に放出するがごとく話しだしました。私にとって耳の痛いことが多かったのですが、私自身を反省する機会にはなりました。
正直申しますと、初めからパキシル40mgという量がでたことに強い懸念をもっております。
ひょっとしたら、少量から始めていれば、「躁転」などという副作用を起こさずに済んだのではないかと思います。
それとも遅かれ早かれ、主人はパキシルで「躁転」したのでしょうか?
ドグマチールにも添付文書によると「躁転」が書かれており、心配ですが、主人本人が「ドグマチールが合っているようだ」と申すものですから、様子を見ております。
私から見たかぎりにおいて現在は順調です。
万が一、またドグマチールで副作用が起こったら、次にはどんな薬が主人に合うでしょうか?
ならば、デパス辺りでも効果があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
宜しくお願い申し上げます。
林: 躁状態がおさまり、うつの症状もそれほどでない状態になり、まずは安心されたことと思います。
今後、適切と思われる処方については、【1050】の回答と基本的に同じです。つまり、躁うつ病の可能性を考え、躁転を予防する薬の併用を考えるべきでしょう。
正直申しますと、初めからパキシル40mgという量がでたことに強い懸念をもっております。
ひょっとしたら、少量から始めていれば、「躁転」などという副作用を起こさずに済んだのではないかと思います。
それとも遅かれ早かれ、主人はパキシルで「躁転」したのでしょうか?
【1050】の回答の繰り返しになりますが、ご主人は躁うつ病の可能性があります。ですからそもそもこの「躁転」が副作用といえるかどうかわかりません。
ドグマチールにも添付文書によると「躁転」が書かれており、心配ですが、主人本人が「ドグマチールが合っているようだ」と申すものですから、様子を見ております。
うつに有効な薬の大部分の添付文書に「躁転」と書かれていると思います。つまり、どの薬でもその可能性はあるといえばあるということになります。だからこそ、ご主人のケースでは、リーマス、デパケン、テグレトールなどの併用を考慮する必要があるのです。
ならば、デパス辺りでも効果があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
このご意見には全く根拠がありません。