精神科Q&A

 【1105】統合失調症がよくなったあとの、うつ状態


Q: 32歳の男です。今まで2人の精神科医に診てもらっていますが、自分が果たして精神病なのかそうではないのか、また精神病であればどんな精神病なのかをはっきり知りたくて、質問させていただきます。

一昨年末ごろから職場の雰囲気がおかしくなったように思い始めました。
同じ部署の同僚達が自分を監視しているように感じるようになったのです。半年もすると会社の社員全員から監視されてさらに一日中(勤務時間外も)監視されていると思うようになりました。他人同士の会話や仕草、表情、物音など身の回りの殆ど全ての出来事を自分と関連付けて考えるようになってしまったのです。

さすがに自分の精神状態はおかしくなっていると思いインターネットで調べたところ自分は、統合失調症を発症したと思って精神科に駆け込みました。
二回目の診察で、統合失調症に間違いないと告げられ薬(セレネース)を飲み始めたところ一ヶ月ほどで全て妄想だったと気付き妄想の症状は治まりました。
しかし、その後倦怠感やうつ状態(うつ病のような症状)になったので医師に相談したところうつ状態になるはずがないと言われ対応してくれませんでした。

納得できず服薬をやめ別の精神科に行くと今度はうつ病と診断され、もらっている薬は、トレドミン、ピーゼットシー、ルジオミールです。今は仕事を辞めて療養中で、不安感、疲れやすい等の症状がありますが、日常生活に支障はありません。

私の病名は何なのでしょうか。今の治療でいいのでしょうか。


林: あなたは統合失調症か、または妄想性障害だと思います。一昨年前の職場でのあなたの体験は、典型的な被害妄想です。この時点で精神科を受診され、治療を開始されたのは最善の対応でした。そして最初の医師のセレネースによる治療が適切だったことは、一ヶ月ほどで妄想が消失したことから明らかです。(診断が統合失調症であっても妄想性障害であっても、薬物治療としてはほぼ同じになります)
妄想が消失したころから、うつ状態が現れることは、統合失調症では時おりあることです。これは「精神病後抑うつ」として知られているもので、精神科の教科書にも出ている、専門家にとっては初歩的な知識に属する事柄です。ですから、その医師が

うつ状態になるはずがないと言われ対応してくれませんでした。

というのは納得できないところです。(医師の説明の細かい状況がこの記載だけからはわかりませんので、「納得できない」という程度までしか言えませんが)

納得できず服薬をやめ別の精神科に行くと今度はうつ病と診断され、

これは誤診です。あなたはうつ病ではありません。

今の治療でいいのでしょうか。

わかりません。薬の量の記載がないからです。

確実に言えることは、あなたには抗精神病薬が必要だということです。今あなたに処方されている薬の中では、ピーゼットシーがそれにあたりますので、これは必須です。トレドミン、ルジオミールのような抗うつ薬を、精神病後抑うつの時に使うべきかどうかについては様々な見解があります。いずれにせよ、あなたのケースでは、薬の量の記載がありませんので残念ながら判断できません。


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