精神科Q&A

【0917】複数の男性と見境無く交際する同僚


Q:  私30代の自治体の職員で、A子(23歳、女性)も同様の公務員です。
 A子は、いろんな男性(既婚、未婚ともに)と見境無く交際し、相手のパートナーの恨みを買って、それが職場まで及ぶ問題になっていることです。
 具体的には、職場への無言電話や「パートナーを盗られた女性」の怒鳴り込みなど、それもA子は1年前から2人職場の出張所勤務であり、その被害がもう一人の職員に集中していたことです。
 常識はずれな彼女の行動により業務に支障を来たしたため、彼女は本庁に配転されました。
 私は、彼女の「男性に対する異常な執着」「既婚、未婚を問わない」こと、また出張所で彼女の上司であった女性によると突然黙り込むことがあり、「苦情が入るのは、あなた(上司の女性)がそう仕向けている」と言い出すなど被害妄想と解釈できることもあったなどを考えると「統合失調症」ではないかと思っています。 
 A子は、出張所の女性上司に不満を持ち、1ヶ月にわたり長期欠勤。その後本庁へ配転されました。
 配転されたとたんに出勤するようになったそうです。
 見た感じは普通の若い女の子なのですが、見た目とやることに非常にギャップあります。
 トップは、彼女の根本的な問題性を認識せずに、配転先の上司に対して管理上の注意もしていません。
 もし、彼女が「統合失調症」であった場合、職場ではどのように接し、どのような対策をとればよいのでしょう。
 このまま、まわりが認識しないと、また大きな問題を起こすように思えてなりません。
 出張所の前にいた課で、妻子ある上司と不倫の関係にもなっていたことから、今回の課長と係長には私が個人的に耳打ちした次第です。


: このメールの内容だけで統合失調症を疑うことはできません。
まず、ご質問のポイントであるこの点ですが、

いろんな男性(既婚、未婚ともに)と見境無く交際し

これだけで統合失調症という病気を疑うことが出来ないのは言うまでもありません。

さらに、

「苦情が入るのは、あなた(上司の女性)がそう仕向けている」と言い出す

これを取り上げて、被害妄想と解釈できる、とあなたはおっしゃっており、確かにそう解釈できるかできないかと問われれば、解釈できる、というのが答になりますが、病気を疑う根拠としては弱すぎます。統合失調症の診断には(他の病気でもそうですが)、ひとつひとつの症状でなく、全体象が重要になります。「異性と見境なく交際する」「被害妄想と解釈できる言動がある」というだけでは、まだまだ病気を疑うところまではいきません。

統合失調症で、放埓な異性関係が問題になっている例としては【0624】がありますが、この場合、異性問題は全体像の一部にすぎません。異性問題という一つのことだけを取り上げて、病気を疑うわけではありません。これは【0624】の内容をお読みになれば、ご理解いただけると思います。



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