精神科Q&A
【0910】突然離婚すると言い出した妻は統合失調症なのでしょうか
Q:
私は48歳男性です。
2年前、妻(41歳専業主婦)が突然離婚すると言いだし、別居が続いています。2人の子供達は妻と生活をし、私には会わせません。
離婚に至る具体的な説明はいまだになく、当初、私のことを「恐ろしい、おかしくなった」を繰り返していました。
そして、私とは一度もまともな話し合いができていません。
離婚し、子供を育てていくなら仕事を見つけ自立するようにと言い続けていますが、「離婚してくれないから、仕事ができない」を繰り返すだけで、私からの送金で生活を続けています。
妻の友人達からは、
・友人同士の宴席で突然笑い出した
・一緒にいても何時間もしゃべらない
・近所の方に、突然歩み寄り「お宅の子供を私の子供に近づけるな」と言った
・PTAの会合では、窓の外ばかり見ていた
・人が変わったようである
妻の身内からは
・せっかく家に尋ねていったのに、座って話もせず忙しく動き回り、帰り際に玄関で突然笑い出した
・亡き母の仏壇がおいてあった場所の冷蔵庫を拝んでいた
・離婚を思いとどまらせようと真剣に話をするが、にやにやし、口が動いている
・日中も部屋に鍵をかけて籠もっている
など、いろいろと聞こえてきたため、義父にお願いして心療内科へ連れて行ってもらい、その後、私が上記の異様な言動を医者に説明したところ、「統合失調症」との診断がありました。
ただし、医者が妻を診たのは昨年の2度だけです。
妻は、服薬も治療も拒否し、現在は「私を病気に仕立てたりして、名誉毀損で訴えてやる」等と言っています。
電話でのやりとりでは、離婚に関わる話以外はごく普通に会話できるのですが、離婚の話になると「何故、離婚届に判をおさないのか!」を繰り返すだけで、私が離婚に必要な決め事(親権、慰謝料、財産分与等)あるといっても、聞く耳を持たず、最後は怒鳴り散らして電話を切ってしまします。
医者からは、統合失調症であり、治療が必要と言われましたが、電話では夫婦生活をしていた頃と変わらない会話ができたりするので、もしかしたら、離婚を決意した事で「一時的に統合失調症のような症状が出たのか」とも考えたりしています。
検査を受けさせられればいいのですが、まったく聞き入れません。
非常識なところも見受けられますが、子供達の世話も最近はできているそうで、単なる性格の問題とも考えられます。
妻のような統合失調症もあるのでしょうか。
林: 奥様は統合失調症(精神分裂病)だと思います。
全く不可解な突然の離婚の申し出、さらにお友達からも異常性が観察されていること、加えてご家庭での異常な言動(「妻の身内からは・・・」として記載されている内容は、妄想や思考障害を強く疑わせるものです)をあわせて考えれば、統合失調症の診断は間違いないと思います。
電話では夫婦生活をしていた頃と変わらない会話ができたりするので、もしかしたら、離婚を決意した事で「一時的に統合失調症のような症状が出たのか」とも考えたりしています。
そういう可能性はないでしょう。
非常識なところも見受けられますが、子供達の世話も最近はできているそうで、単なる性格の問題とも考えられます。
単なる性格の問題とは全く考えられません。統合失調症です。統合失調症であっても、奥様のように子どもの世話ができたり、あるいは仕事ができたりしていても決して矛盾はありません。
妻のような統合失調症もあるのでしょうか。
あります。奥様は決して例外的な症状ではありません。むしろ典型的と言ってもいいくらいです。おそらくあなたは奥様が統合失調症であることを否認したい気持ちを持っておられるのだと思います。しかし、診断はほぼ確実で、他の病気などを考える余地はほとんどありません。
統合失調症は、医学的な治療以外に治す方法はありません。なるべく早く精神科を受診することをお勧めします。