精神科Q&A
【0864】入院してからひどく暴れるようになりましたが・・・
Q: 10日ほど前から25歳の弟の様子が急におかしくなりました。睡眠をとらず、急に悲観的になって泣き出す、自暴自棄な発言、タバコの異常な喫煙本数から始まり、2日後には自殺行為とも思える自動車事故を起こし、翌日傷害事件を起こしてそのまま医療保護入院となりました。
「急性精神病」と診断名がつけられ、6週間の入院が必要とのことでした。隔離室に入院させて1週間になりますが、暴れたり、部屋に水をまきちらしたりするようになり拘束具でしばりつけるという状態です。長時間にわたると血栓で心臓発作などを引き起こす場合もあると言われました。
以前の弟の性格では人に危害を加えたり、暴力を振るうことなど全くありませんでした。病気のせいだとは思いますが、入院後ひどくなっているようです。
弟は20歳初め頃から2年ほどひきこもりのような生活をしていました。
その後も短期バイトをするくらいで、定職についていません。現在無職です。
仕事の事で悩んでいたのと、出勤すると体調が悪くなるとは以前相談されたことがありますが、言動・行動に関しておかしなところは特に気づきませんでした。
今回、急激に変化し、入院となりましたがあまりの突然なことに家族も戸惑いました。
入院前のおかしな言動としては、昨年他界した祖父の霊が自分に乗り移っている、尼崎のJR列車事故で亡くなった人の分タバコを吸っている、食事に毒が入っている・・・などです。おかしいと思い、保健所に相談に行った矢先の事故と事件を起こし医療保護入院でした。このまま本当に治るのか不安で仕方がありません。
林:
「急性精神病」と診断名がつけられ
とのことですが、急性精神病というのはこのようなケースで仮につける診断で、実際には弟さんは統合失調症(精神分裂病)だと思います。
10日ほど前から25歳の弟の様子が急におかしくなりました。
この記載からは突然の発症のようですが、
弟は20歳初め頃から2年ほどひきこもりのような生活をしていました。
おそらくこの20歳の時点で発病されていたのではないでしょうか。
メールのトーンからは、入院させたことでかえって悪化したのではないかと思っておられるようにも読み取れますが、統合失調症で弟さんのようにある時期から激しい興奮状態が現れた場合、何週間かはそれが続くことも稀ではありません。【0686】のような例もあります。当面は症状の変化に一喜一憂せず、冷静に経過を見ることが必要だと思います。