精神科Q&A

 【0856】知的障害の兄の耐え難い言動


Q:私は17歳の知的障害者の兄を持つ高校生です。最近兄が私に同じ言葉を何度も何度も言ってきてノイローゼになりそうです。わめく、飛び跳ねるなどの行為はなんとか耐えることができるのですが、私が家にいる間何度も何度も私の部屋に入ってきては「おはよう」「トイレ」などを何度もいわれて返事を求められるのは さすがにしんどくなってきました。

昔は3回ぐらいで何とか耐えることができたのですが、ここ3ヶ月前ぐらいから20数回も同じことを言ってくるので、私が用事をしている時そういうことを何度も言われるとどうしても怒鳴ってしまいます。 

ここ3ヵ月の兄の様子に母も父も限界が近づいているようです。 
数年前、神経内科で検査を受けた結果、やはり処置の仕様が無いということなので、精神安定剤を2錠処方され、最初は飲ませていたのですがあまり効果が出ないということなのでこちらの勝手な判断で薬を飲むのをやめてしまいました。

それから数年経ちましたが兄の症状は悪化する一方です。 
再び母がかかりつけ医に相談して今は抗ヒスタミン剤2錠処方されていますが、効果はまったく無いです。

最悪の場合施設に預けることも両親は考えているようですが、私の学費のこともありますしなんてったって 一緒に暮らせる限りは一緒に暮らしたいというのが私たちの考えです。 
しかし、このままでは家族全員がおかしくなってしまいそうです。どうすればいいのでしょうか。


: 知的障害の方が、このケースのように周囲からは理解不能な不可解な言動を執拗に繰り返すというのは時おり見られることです。第三者から見れば、特に乱暴するわけでもなく、温かく見守ってあげれば、というふうに、一見すると優しい、実際は無責任な、意見が出されることも多いのですが、実際に毎日接しておられる方々にとっては大変なストレスだというのはよくわかります。
 そのストレスが耐え難いレベルのものであれば、方法は二つしかありません。

最悪の場合施設に預けることも両親は考えているようですが、

ひとつはこれでしょう。
もうひとつは薬です。

数年前、神経内科で検査を受けた結果、やはり処置の仕様が無いということなので、精神安定剤を2錠処方され、最初は飲ませていたのですがあまり効果が出ないということなのでこちらの勝手な判断で薬を飲むのをやめてしまいました。

この時の様子、つまり副作用などが不明ですので何とも言えないところはありますが、効果がなければ薬を増やすとか変えるなどの手段を講じるべきだったでしょう。
そして、それは今からでも遅くはありません。

再び母がかかりつけ医に相談して今は抗ヒスタミン剤2錠処方されていますが、効果はまったく無いです。

抗ヒスタミン剤が効くとは到底思えません。
もっと思い切って鎮静効果の強い薬を定期的に使う以外にはないでしょう。
それも一時的にはかなり強くして、いわゆる薬づけと呼ばれるような状態にすることも真剣に検討すべきかもしれません。

こういう書き方をすると、薬づけにする前にもっとしてあげることがあるのではないか、という、優しい、しかし実は無責任な、意見も出てくることが予想されます。特に当事者であるご家族にとっては、周囲からのそういう批判はつらいものがあると察せられます。しかし、現実を直視して、実効ある手段を講じなければなりません。薬物で何とかコントロールするか、あるいは施設も考えるか、精神科の医師に相談して慎重に方針を立ててください。


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