精神科Q&A

【0097】 インターネットで売られている薬について


Q 最近、インターネット上で「合法ドラッグ」として〇〇〇〇という薬が売られています。紹介のページには、「医師も推奨している」とか「副作用はない」とかいいことばかり書いてあります。でも、それならば「合法ドラッグ」扱いされていることが気になります。

この薬を私の友人はインターネット上で購入し毎日服用しています。処方される薬よりも本当にいい薬なのでしょうか?

(〇〇〇〇は、林の判断で伏字にしましたが、回答は○○○○がいかなる物であっても同じです)



: インターネットで売られている薬は、いかなるものであれ、飲むことには賛成できません。

まず第一に、いわゆる「合法ドラッグ」が、処方されている薬よりいい薬ということはあり得ません。ですから、もしそのページに「処方されている薬よりいい」と書いてあるのだとしたら、それはウソです。また、副作用がない薬もあり得ません。ですから「副作用がない」というのはウソです。

ここでいう「いい薬」というのは、総合的に見ていいかどうかという意味です。効き目だけに関して言えば、合法ドラッグや非合法ドラッグの方が勝るということはあり得るでしょう。けれどもいい薬というのは、効き目と副作用のバランスで決まるものです。いくら効いても副作用が強すぎてはいい薬とは言えません。処方される薬というのは、そうしたバランスを慎重にチェックした上で認可されているのです。
 ただし、認可には時間がかかりますので、まだ認可されている途中の「合法ドラッグ」が、実はいま処方されている薬より総合的にみてもいい薬ということはあり得ます。けれどもまた認可されていないということはまだ安全性が確認されていないということですので、それを飲むのは一種の賭けのようなものです。とてもお勧めできることではありません。

それからもうひとつ、医師が合法ドラッグを推奨することはあり得ると思います。ですから「医師も推奨している」というのは本当かもしれません。けれどもそれは、直接その医師に会って、その医師が信頼できるとご自分で判断された場合に限るべきです。単に「医師も推奨している」というだけでは、どんな医師かもわかりませんし、ウソかもしれません。

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