精神科Q&A
【0751】統合失調症と診断された妻の、病気とは思えない行動
Q: 39歳の妻は、4年前に幻聴、妄想などの症状が現れて、現在に至っています。
自殺未遂も数度(2年前)しています。
「自分は病気じゃない!」といい通院はしていません。
医者に相談したら、統合失調症ではないかと言われました。
幻聴、妄想はHPに書かれている症状そのものなので私も統合失調症で間違いないと思っています。
ただ、私や身内からみると病気だと思うのですが、本人は
・働いている
・海外旅行(今年に入り1人で数回)へ行ける
・外での言動はきちんとしていて、病気と思われたことがない 等
病人とは思えない行動をしています。
よくわかりませんが、統合失調症とはそういう病気なのでしょうか?
または、違う病気なのですか?
林: 統合失調症(精神分裂病)で、幻覚や妄想などの症状があっても、仕事や旅行ができ、他人からは病気になかなか見えないことは十分あり得ます。ですから、
統合失調症とはそういう病気なのでしょうか?
そういう病気です。
もっとも、治療せずに悪化すれば、徐々にいろいろな側面に(つまり、仕事や日常生活に)障害が出てきます。自殺未遂もしておられるとのこと、このままでは自殺のおそれもあります。一日も早く治療を始めるべきです。
なお、
幻聴、妄想はHPに書かれている症状そのものなので
と書かれていますが、「そのもの」と言われても本当はどうかわかりません。臨床でも、ご家族が、「本に出ている○○の症状そのものなんです」とおっしゃっても、実際に診察してみると全然違うということは少なくありません。症状は具体的に書いていただければ、もっと有効な回答ができると思います。
続き(2005.3.5.)