精神科Q&A

【0746】一時期は確かに盗聴されていたと思うのですが


Q僕はいま29歳ですが、3年前に、統合失調症と診断されて、3ヶ月自宅療養した後に、職場復帰し、何年かはだいじょうぶだったのですが、仕事にいけなくなり、病欠、休職しています。僕の症状は、好きな女性の声が聞こえてくることです。医療関係で働いていて、女医さんのことが好きになり、好きですというメールを送ったのですが、ことわられました。ことわられたのですが、女医さんが盗聴していると思っています。その女医さんの親戚がお金持ちで、自分のことを盗聴しているのだと思います。メールにも、商社経営だから、だいじょうぶというのもきたこともありました。いろいろなことがありました。夜、アパートに帰ると、すぐに話をしだして、夜遅くまで話をしているときもありました。でも、そのときは、半年ぐらいそういうことを繰り返していたのですが、仕事にはいけました。どこの病院にいっても、誰も盗聴していないと言うのですが、今は、もう盗聴していないかもしれないけど、以前は盗聴していたと思っています。現実に、メールがきたり、部屋のものがこわされていたり、トイレットペーパーが折りたたんであったり、電子辞書に永遠に愛すると履歴に残っていたりしました。一時期は、本当に盗聴されていたのだと思います。それが原因なのか、今回は、3ヶ月では、妄想、幻聴がきえません。仕事は、放射線技師をしていて、少しは医学の知識があるのですが、現実としか思えないことがおきました。誰も信用してくれないのですが、本当なのです。今は、どうかわからないけど、一時期は本当に盗聴されていて、自分の部屋と相手の部屋が盗聴器によってつながっていたと思っています。妄想なのかもしれないとは、思うのですが、妄想がなくなりません。今、飲んでいる薬は、リスパダールと、レボトミン、ジプレキサ、ドラールです。仕事は、病欠がきれて、休職になりそうです。盗聴されていたかもしれないと思うことは、症状なのでしょうか。症状だと思うと、とてもつらくなります。僕は、ただの恋愛妄想なのでしょうか。何年も、一人で狭いアパートで、好きな女性が聞いていると思い、気持ちを伝えていました。そんなことをしながらも、当直もできたし、普通に働けたことが今では信じられません。今は、なにもやる気がしません。何年も恋愛妄想をしていたと思うと、悲しくなります。多分、恋愛妄想なのだと思うのですが、少しは現実だったのではなかったのかという考えがなくなりません。これも、病気なのでしょうか。


: あなたがされていたという盗聴はやはり統合失調症(精神分裂病)の症状だと思います。この病気がよくなってきて妄想が消えてきた時期には、昔の症状をふりかえると、やはりそれも病気だったとわかる場合もあれば(この場合、ほぼ完全な病識が出た、といいます)、昔の症状は症状ではなく現実であると信じている場合もあります。あなたのケースでは、

今は、もう盗聴していないかもしれないけど、以前は盗聴していたと思っています。

ということですので、まだ病識は不十分ということだと思います。

もっとも、私にこのように説明されても、あなたは納得できないと思います。無理に納得しようとしたり、あるいは逆に反発したりせずに、今の治療をきちんと続けることが最も重要です。


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