精神科Q&A

【0731】過食嘔吐を繰り返す私は甘えだと思うのですが、病気との境はどこにあるのでしょうか


Q:  私は20代女性です。
4年前からアルバイトのストレスから暴食をし始め、3年前に太りたくない一心で嘔吐を始めましたが、体の調子が悪化し1年前に嘔吐をやめる決心をしました。

現在は嘔吐はしませんが、気持ちが落ち込むと、空腹感はなくてもただただ食べ続けます。
また、落ち込むと、食事以外の自己管理もしなくなります。テレビの前で何日間も何も考えずに過ごします。

やらなければならない仕事や勉強が山積みなのは十分認識しているのに、「やらなきゃ」という意識ばかりが先行して、行動に移していません。
やらなければならないことがたまっていく、時間がなくなっていく、という実感こそが「落ち込み」の原因であるように思います。

落ち込み→過食・ダラダラする→時間がなくなる→落ち込み→過食・ダラダラ、、、
という悪循環にはまっているように思います。
悪循環を断ち切るためには自分が行動しなければならない、ということを頭では分かっています、また、行動に移せることもあります。しかし、しばしば行動に移していない自分がいます。

周囲の人には頑張り屋だと思われ、私自身もその期待を裏切らないようにしています。
ただ、本来は何日もかけてやるべき仕事を、前日まで取り組まずに、仕事の締め切り前夜に必死に終わらせて、「頑張り屋」としての体裁を保っていることが時々あります。
そんな自分が、嫌いです。
改善したい、という意思はあります。なのに改善していない自分がしばしばいるのです。

このような状態を4年間続けています。

このような症状は、私の甘えだと認識しております。しかし家族には病院に行ったほうが良いと強く勧められます。もし、病気だとしたら、甘えと病気の境はどこにあるのでしょうか。よろしくお願い致します。


: 過食や暴食は、病気の一症状ということもあれば、そうではないこともあります。この点についてはあなたのおっしゃる通りです。

甘えと病気の境はどこにあるのでしょうか。

これは非常に難しい質問です。ひとつの目安としては、食行動にしても何にしても、その結果があなたの本来の活動に支障をきたしていれば、病気である、あるいは少なくとも治療の対象であるとする考え方があります。しかしもちろんこれは絶対の基準にはなりえません。けれどもあなたのケースでは、ご家族から受診を強く勧められているということは、客観的にみてかなりの支障をきたしていると推測できます。だとするとやはり病院を受診すべきでしょう。

なお、

周囲の人には頑張り屋だと思われ、私自身もその期待を裏切らないようにしています。

これは、摂食障害の方にみられるひとつの典型的な性格傾向といえます。(摂食障害の人の多くがこのような性格傾向という意味ではありません。その中のある一群の人に、あなたのような性格傾向が非常によく見られるということです)


精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る