精神科Q&A
【0717】寝言を盗聴されている気がします
Q: 28歳、男性です。
数ヶ月前から、盗聴されている気がしてなりません。
お恥ずかしい話ですが、頭の中で性的なことを考えていて、それを寝言でいい、職場の人がそれを盗聴して自分のことを笑っている気がするのです。
最近では寝言を聞かれているのを見越して、頭の中で盗聴している人たちのことを口汚く罵り、それを寝言で言って不愉快な思いをさせてやろうと考えています。そうしないと我慢がならないのです。
職場で私が通るときに、わざと大きな音を立て、私がびっくりするのを面白がっている気がします。もともと気が小さい方で、最初のうちは相手に悪意があるとは考えもせず、自分のことを情けないと考えていただけなのです。このときも相手のことを頭の中で口汚く罵らないと安心できません。多分、私の仕事が楽に見えるから、相手にとっては気分が良くないのだと思います。
休日の日、私が電車で出かけるときも複数の人につけられているような気がします。これは４、５年前からですが、それほど気にしていませんでした。しかし１年ほど前、こんなことがありました。私は休日によく本屋へ行くのですが、「あの人は休日は本屋めぐりだ」とささやいたのです。
私が現在住んでいるところは、車がなければ不便なところです。徒歩やバスを利用して一時間かかって、ようやく私鉄の駅までたどり着けるようなところなので、職場の誰にも会わないだろうと思っていたのですが、気味が悪いです。
最近、私がつけられていると感じていることを察したのか、相手のほうも「気付いた？」とささやいているのを（私にではなく仲間同士で）何度か聞ききました。
私の休日の行動をささやいたのは中年の女性で、私をつけているのはどうやら若い人らしいのです。
複数の人が私をつけまわして面白がっているような気がしてならないのです。
最初は探偵の業者の方に調査してもらおうと思い、ウェブページをみていたら、自分が統合失調症の可能性もあると思い、林先生に相談することにしました。
変な表現ですが、病気であるといって欲しいという気持ちもあります。その方が楽だし、治療すれば治ると思うからです。しかし一方では、盗聴されているのも、休日に誰かにつけられているのも事実のような気がしてならないのです。
今こうして悩んでいることも、寝言でいい、盗聴している人はそれを聞いて面白がっている気がします。
もし私が統合失調症でないのだとすれば、せめて、寝言をいわなくするにはどうしたいいか、ぜひ教えてください。
林: あなたは統合失調症(精神分裂病)だと思います。
お恥ずかしい話ですが、頭の中で性的なことを考えていて、それを寝言でいい、職場の人がそれを盗聴して自分のことを笑っている気がするのです。
このように、自分が他人に隠しておきたいと思っている内容が他人に知られてしまうというのは、統合失調症(精神分裂病)では非常によくある症状です。ここで「他人に知られてしまう」というのは、ひとりごとが聞かれてしまうということもあれば、考えが直接読み取られるという場合もあります。寝言が盗聴される、というあなたのケースは比較的珍しいですが、そういう形式はあまり問題でなく、自分の内部にあるものが他人に知られてしまう、伝わってしまうというのが、この症状の本質です。
また、そのほかこのメールにあなたが書かれている内容は、どれも統合失調症(精神分裂病)としてかなり典型的なものです。でるだけ早く精神科を受診し治療を受けてください。