精神科Q&A
【0713】抗不安薬とホルモン剤併用について
Q:
42歳主婦です。
三年前、新幹線に駆け込み乗車をした後の息切れをキッカケに、満員電車や急行など、自分でコントロールできない電車に乗る事ができなくなりました。(発作が起きる為です)
それでも、車を使って行動することが出来たため、自力で乗り切ろうとしていたのですが、症状が悪化していきました。そのうちに家でも動悸が激しくなり、「自分は心臓が悪いのではないか?」と疑うようになり、生理も2週間続くという有様でした。
三ヶ月前、ついに混雑した道路で車に囲まれ、大きな発作が来ました。
半日間、動悸・胸苦しさ・胸圧迫感・吐き気・不安感・頻脈が続き、その日病院で心電図等で検査をしてもらいましたが異常はなく、パニック障害と診断されました。
そして心療内科に通院するようになり、現在、メイラックスを2錠→1錠に減らしたところです。
外に余りでないこともあって、気持ちは安定しているのですが、今は生理のことが問題になっています。
二ヶ月前に生理が一ヶ月も続いた為、産婦人科で診療を受け、ホルモンのバランスが崩れているので、ホルモン剤を飲んで治療しようと言われました。
お医者様の言われた通り、一日3回のソフィアA錠を5日服用。
途端に、副作用と不眠・鬱のような気分の落ちこみに見舞われました。
私としては、生理が長期に渡るのは、パニック障害の影響では?と思います。
ホルモン剤とメイラックスの両方を飲むのは、かなり辛いです。余計に身体が辛く、苦しく、ダメになりそうなのです。
私は、今はパニック障害の治療に専念をして、ホルモン剤を飲むのを中止することを、産婦人科の先生に提示してみようかと悩んでいます。
一ヶ月も生理が続くことも確かに辛いですが、でも、メンタル面が落ち着けば、生理も元に戻るのでは?と考えています。これは素人考えなのでしょうか?
林: 精神的な原因で生理が不順になったり長期にわたったりするのは十分ありうることです。この時、検査をすればホルモンのバランスが崩れているという所見が見られますが、精神的なことが原因であれば、必ずしもホルモン療法を行う必要はありません。あなたのケースでは、パニック障害の影響として生理が長期にわたっているというのがもっとも考えられます。この場合、ホルモン療法を行ってはいけないということにはなりませんが、ホルモン剤の副作用がかなり出ているようですので、ホルモン剤は中止して、今はパニック障害の治療だけに専念するのがいいと思います。
メンタル面が落ち着けば、生理も元に戻るのでは?と考えています。これは素人考えなのでしょうか?
あなたの考えは理にかなっています。決して素人考えではありません。パニック障害が落ち着けば、まもなく生理も正常になると思います。それまでに多少の時間差はあるかもしれませんが、心配はありません。万一それでも生理が長期化している場合に限って、あらためて治療を立て直すという方針でいいでしょう。