精神科Q&A

 【0709】統合失調症が良くなったのは環境のせいでしょうか


Q:半年前から同棲している37歳の彼のことで質問いたします。彼は18歳の頃に統合失調症(精神分裂病)を発症したのですが、32歳の時に自分から病院に入院して半年ほどの入院生活、自立支援生活後、現在は社会復帰もして、普通に生活を続けていけています。

彼が言うには、発病当時より、常々自分を監視する誰かがいて、時には話しかけられたりしたというのです。ただその声に支配されるまでにはいかなかったのですが、現在ではそういった数年あった「誰かに監視されている感覚」がほとんどないと言うのです。

もちろん薬は毎日飲んでいますし、睡眠も気をつけてはいますが、これは症状が薬によって安定されたと言ってもよいのでしょうか?
本人曰く、環境に左右される病気だから、今環境がとてもいい状態なので安定していると言っていますが、どうなのでしょうか?


: 薬の効果と環境の効果の両方が、回復につながっているのだと思います。
もしご本人が、環境の方だけを重視しておられるのだとすれば、それは危険な徴候です。

統合失調症(精神分裂病)で非常によくあるのは、ご本人やご家族が、症状が安定し環境もよいのでもう大丈夫と判断して薬を中断し再発するというケースです。それだけは十分注意してください。幸い、現在は非常に良い状態のようですので、油断せずに服薬を続けることが大切です。
 統合失調症(精神分裂病)で、薬なしで安定しているケースも存在しないわけではありませんが、この方の場合はすでに20年近くの病歴がありますので、薬はずっと続けるつもりでいた方がいいでしょう。

その後の経過(2005.7.5.)


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