精神科Q&A

【0086】ある都立病院の電気けいれん療法


Q: 新聞の一面で、都立松沢病院で野蛮な電気けいれん療法をよくやっているという記事を読みました。今の時代に、なぜそんなことが行われているのでしょうか。

: 電気けいれん療法は誤解されることが多い治療法ですが、緊張型の統合失調症(精神分裂病)や難治性のうつ病に対しては有効な治療であるというのが常識です。実際の方法としては、けいれんを起こさせる方法と、薬を併用してけいれんを起こさせない方法があり、いずれがいいかは、患者さんの状態によって決められるべきことです。この新聞記事は、けいれんを起こさせる方法は悪い方法であるという論調で書かれていましたが、それは大きな誤りです。これを書いた記者は、全くの勉強不足か、あるいは精神医療に対する悪意を持っていることが推測されます。

患者さん自身が電気けいれん療法を好まない場合、それがたとえ誤解や偏見に基づく考えだとしても、患者さんの意志は尊重すべきですが、この方法が最善の治療である患者さんがたとえ少数でもいらっしゃることは確かです。今回のような記事は、電気けいれん療法に対する偏見を強め、この治療法で治る患者さんを躊躇させる可能性があり、患者さんの利益を著しく損なうものです。


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